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こんにちは!
SMILEVISAです。
今回の記事では特定技能2号と1号の違いについて解説していきます。「特定技能1号と2号の違いって何なの?」というのは特定技能について調べ始めた方の多くが抱く疑問です。さらに最近、特定技能2号の分野が拡大されるとニュースになったこともあり、特定技能2号に対して注目度がアップしています。
本記事では特定技能2号は1号とどう違うのか、取得するためにはどんな要件が必要なのかを詳しく解説していきます。
そもそも「特定技能ってなに?」という方は記事「特定技能とは?採用から受け入れ方法まで詳しく解説」をご覧ください。他にも「外国人を採用したいけどどの在留資格を選べば良いか分からない!」という方は記事「特定技能とは?採用から受け入れ方法まで詳しく解説」が参考になります。
特定技能2号のポイントは?
具体的な解説に入っていく前に、特定技能2号の重要なポイントは以下の2つです。
- 特定技能2号は特定技能1号の上位資格
- 対象職種が少ない(2023年4月現在では、建設と造船・舶用工業の2分野のみ)
特定技能2号は特定技能1号の上位資格
特定技能2号は、求められるスキル等が特定技能1号よりも高く、更には在留期間の上限がないなど、より長期就労が想定された上位資格となっています。
対象職種が少ない
外国人が就労できる業務区分が、特定技能1号では12分野ですが、特定技能2号では建設と造船・舶用工業の2分野のみに限られています。しかし、今後業務区分が拡大されていくことも十分にあり得ます。
建設分野では技能試験を受験することで資格取得が可能ですが、造船分野では合格に必要な試験について日程が公開されておらず、2023年4月現在の時点では実質的に取得は不可能となっています。
特定技能1号と2号の違いとは?
在留期間の上限は?
特定技能1号では、在留期間は最大5年間が限度ですが、特定技能2号では更新をし続ける限り無期限での在留が可能です。そのため永住権の取得を目指す外国人が利用していくと想定されています。
6か月、1年、3年ごとに在留期間が付与されるため、おおよそ1年に一度は在留資格の更新が必要となる可能性があります。
求められる技能水準は?
特定技能2号の方が、資格を取得するために高い技能水準が求められます。出入国在留管理庁の運用要領では下記の通りで定義されています。
〇 「特定技能2号」で在留する外国人(以下「2号特定技能外国人」という。)に
対しては、熟練した技能が求められます。これは、長年の実務経験等により身に
つけた熟達した技能をいい、現行の専門的・技術的分野の在留資格を有する外国
人と同等又はそれ以上の高い専門性・技能を要する技能であって、例えば自らの
判断により高度に専門的・技術的な業務を遂行できる、又は監督者として業務を
統括しつつ、熟練した技能で業務を遂行できる水準のものをいうとされています。〇 当該技能水準は、分野別運用方針において定める当該特定産業分野の業務区分
に対応する試験等により確認することとされています。
出入国在留管理庁の「特定技能外国人の受入れに関する運用要領」より
つまり、特定技能2号の外国人は、長年の経験により熟達した技能があり、監督者としても業務の統括やマネジメントができる水準である必要があります。
例えば業務区分の定義の違いを見てみると
特定技能1号(建設分野:土木)
指導者の指示・監督を受けながら、土木施設の新設、改築、維持、修繕 に係る作業等に従事
特定技能2号(建設分野:土木)
複数の建設技能者を指導しながら、土木施設の新設、改築、維持、修繕 に係る作業等に従事し、工程を管理
以上のように特定技能2号では指導者側として位置づけられており、より高度なスキルが求められていることが分かります。
支援業務は必要?
特定技能1号では、外国人に対する支援が必須です。例えば生活オリエンテーションの実施、定期面談や生活支援など行う必要があります。
一方で特定技能2号では外国人は既に日本で生活するのに十分な生活スキル、技能を持っていると考えられているため、生活支援の必要がありません。
定期や随時などの届け出は必要?
他の外国人の在留資格(日本人の配偶者や経営管理、技術・人文・国際など)と同様に、特定技能2号外国人は生活をすることとなります。そのため、定期届け出などもありません。
家族帯同は可能?
特定技能1号では家族帯同は原則として不可となっています。一方で特定技能2号では配偶者と子を本国から呼び寄せることが可能です。
資格要件
特定技能1号では技能試験に加えて日本語試験合格が求められますが、特定技能2号では技能試験のみで日本語試験はありません。
特定技能2号を取得するものは、特定技能を経るなどして既に十分な日本語能力を有していると考えられているため、このような制度設計となっています。
受け入れられる分野の違い
既述した通りですが、特定技能2号では以下のように対象の分野が1号と比べて少なくなっています。
特定技能1号の受け入れ可能分野 | 特定技能2号の受け入れ可能分野 |
・介護分野 ・ビルクリーニング分野 ・素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業分野 ・建設分野 ・造船・舶用工業分野 ・自動車整備分野 ・航空分野 ・宿泊分野 ・農業分野 ・漁業分野 ・飲食料品製造業分野 ・外食業分野 | ・建設分野 ・造船・舶用工業分野 |
特定技能2号を取得する方法
特定技能2号を取得する方法は該当する技能試験に合格することです。技能試験は、以下の2種類から選ぶことができます。
① 「建設分野特定技能2号評価試験」
試験言語:日本語
実施主体:国土交通大臣の登録を受けた特定技能外国人受入事業実施法人
実施方法:コンピューター・ベースド・テスティング(CBT)方式
② 「技能検定1級」又は「技能検定単一等級」
試験言語:日本語
実施主体:都道府県(一部事務は都道府県職業能力開発協会)
実施方法:学科試験及び実技試験
分野ごとの対応試験は以下のようになっています。
建設分野
特定技能2号 建設分野における業務区分 | 合格が必要な試験 |
土木 (複数の建設技能者を指導しながら、土木施設の新設、改築、維持、修繕に係る作業等に従事し、工程を管理) | 建設分野特定技能2号評価試験(土木) もしくは、 技能検定1級(型枠施工) 技能検定1級(コンクリート圧送施工) 技能検定1級(鉄筋施工) 技能検定1級(とび) 技能検定1級(ウェルポイント施工) 技能検定1級(鉄工(構造物鉄工作業) 技能検定1級(塗装) 技能検定1級(さく井) 技能検定1級(造園) 技能検定単一等級(路面標示施工) ※上の試験から一つ選んで受験 |
建築 (複数の建設技能者を指導しながら、建築物の新築、増築、改築若しくは移転又は修繕若しくは模様替に係る作業等に従事し、工程を管理) | 建設分野特定技能2号評価試験(建築) もしくは、 技能検定1級(型枠施工) 技能検定1級(左官) 技能検定1級(コンクリート圧送施工) 技能検定1級(かわらぶき) 技能検定1級(鉄筋施工) 技能検定1級(内装仕上げ施工) 技能検定1級(表装) 技能検定1級(とび) 技能検定1級(建築大工) 技能検定単一等級(枠組壁建築) 技能検定単一等級(エーエルシーパネル施工) 技能検定単一等級(バルコニー施工) 技能検定1級(建築板金) 技能検定1級(熱絶縁施工(吹付け硬質ウレタンフォーム断熱工事作業) 技能検定1級(石材施工) 技能検定1級(タイル張り) 技能検定1級(築炉) 技能検定1級(鉄工(構造物鉄工作業) 技能検定1級(塗装) 技能検定1級(防水施工) 技能検定1級(建具製作) 技能検定1級(カーテンウォール施工) 技能検定1級(自動ドア施工) 技能検定1級(サッシ施工) 技能検定1級(ガラス施工) 技能検定1級(ブロック建築) 技能検定1級(樹脂接着剤注入施工) 技能検定1級(広告美術仕上げ) 技能検定1級(厨房設備施工) ※上の試験から一つ選んで受験 |
ライフライン・設備 (複数の建設技能者を指導しながら、電気通信、ガス、水道、電気その他のライフライン・設備の整備・設置、変更又は修理の作業等に従事し、工程を管理) | 建設分野特定技能2号評価試験(ライフライン・設備) もしくは、 技能検定1級(配管) 技能検定1級(建築板金) 技能検定1級(熱絶縁施工(保温保冷工事業)) 技能検定1級(冷凍空気調和機器施工) ※上の試験から一つ選んで受験 |
特定技能2号へ移行する際には、下記の書類が必要となります。
- 技能試験の合格証明書の写し
- 建設現場において複数の建設技能者を指導しながら作業に従事し、工程を管理する者(班長)としての実務経験を有することを証する書類(分野参考様式第6-3号)
上記のの実務経験を有することを証する書類については、同じ業種の建設キャリアアップシステム
の能力評価基準のある職種における能力評価でレベル3を取得している場合には、「能力評価(レベル判定)結果通知書」の写しを提出すれば、上記の実務経験を有することを証する書類(分野参考様式第6-3号)は不要となります。
造船・舶用工業分野
特定技能2号 造船・舶用工業分野 における業務区分 | 合格が必要な試験 |
溶接(手溶接、半自動溶接) | 造船・舶用工業分野特定技能2号試験(溶接) |
こちらも建設と同様、下記の書類を提出することにより実務経験を証明する必要があります。
- 造船・舶用工業分野特定技能2号試験(溶接)の合格証明書の写し
- 複数の作業員を指揮・命令・管理する監督者としての実務経験を有することを証する書類
なお、造船・舶用工業分野では、特定技能1号では6つの業務区分(溶接、塗装、鉄工、仕上げ、機械加工、電気機器組み立て)がありましたが、特定技能2号では溶接(手溶接、半自動溶接)の業務区分のみに絞られています(2023年4月時点)。
試験について
特定技能2号の取得要件は試験を受けることですが、中にはまだ詳細が公開されていない試験もあります。2023年4月現時点での試験情報を以下にまとめておきます。
建設
特定技能2号を取得するためには、「建設分野特定技能2号評価試験」またはいずれかの分野で「技能検定1級」への合格が必要でした。このうち、「建設分野特定技能2号評価試験」は2023年4月現時点では実施予定が公開されていません。
一方で「技能検定1級」の実施日程はこちらで公開されています。申し込みについては、最寄りの能力開発協会にお問い合わせすることで申し込みが可能です。
造船・舶用工業
特定技能2号を取得するためには、「造船・舶用工業分野 特定技能2号試験(溶接)」への合格が必要です。特定技能2号の試験については、一般財団法人日本海事協会が開催しています。
しかしこちらは試験日程等は公開されていません(2023年4月時点)。そのため特定技能2号の資格を造船・舶用工業分野で得ることを検討している方については、直接お問い合わせすることをお勧めします。
まとめ
今回は特定技能2号が1号とどう違うのか、また取得するには何をすれば良いのかを解説しました。2号については現時点ではまだまだ数が少ないのですが、将来的には一般的になってくる分野であると考えられます。
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※本記事は現時点(2023年4月)で確認が取れている情報となります。制度変更や書類の書式変更などで内容が変更になることもございますので、実際に申請する場合は必ず出入国在留管理庁や在外公館まで直接お問い合わせいただくようお願い致します。