~特定技能の管理費、いつまで払い続けますか?~CROSLANの代表川村に聞く、これからの特定技能制度と自社支援、単独インタビュー

2023年10月、日本に在留する外国人は322万人を超えて過去最多となったことが分かりました。永住者や配偶者、留学生から始まり、技能実習や特定技能など様々な在留資格が存在している日本。特に特定技能外国人数は年々増加しており、今後も多くの分野において増加を続けることが予想されています。

CROSLAN代表の川村敦は、特定技能外国人の申請書類作成・管理ツールである「SMILEVISA」を通じて、受入れ企業と外国人双方が持つ社会的課題を解決するべく事業を立ち上げました。

この記事では、単独インタビューという形で特定技能外国人の雇用や管理について受入れ企業や外国人がどのような課題を抱えているのか、そしてSMILEVISAを通じてどのように解決ができるのか、詳しくインタビューを行いました。

―――川村代表、本日はよろしくお願いします。まず初めに、川村代表が、特定技能に関するサービスを立ち上げようと思ったきっかけについてお伺いしてもいいですか?

代表川村とCROSLANのベトナム事務所スタッフの様子

私は学生時代、ベトナムの大学に留学していたのですが、そこで元技能実習生の友人ができたんですね。

その友人から話を聞いていると、岐阜県の縫製企業で働いていたらしいのですが、初年度の時給が300円、仕事は朝8時から深夜まで、さらに翌日も同じスケジュールで、という過酷な生活を続けていたと知りました。この話を聞いて、非常にショックを受け、同時に憤りを感じました。

賃金はそれでもベトナムより高かったから、我慢して働くことができたということでしたが、一部であったとしても技能実習制度がこのように使われると、人権的・国際的に大きな問題だと強く感じるようになりました。

その後、特定技能制度が2019年から始まる前後から、この制度について調べていると特定技能は技能実習と違い、自分たちで管理できる仕組みが可能であると気づいたんです。

実は大学時代に技能実習生のキャリアをテーマとして卒業論文を執筆したのですが、外国人および企業が不利益を被らずに働ける環境を構築するには、なるべく中間業者が多く介在しない、というのが大きなポイントになると感じたんです。

学生時代、ホーチミンへ留学中の川村

だから、今後は外国人を受入れ企業が直雇用できる、という状態がお互いにとって、ベストではないかという結論に至りました。中間業者が多く入ることにより、受入れ企業も、雇用される外国人も多額の費用がかかり、適切な情報を把握できないという状態は良くないなと。

特定技能なら、受入れ企業が直接管理することができますし、入管による直接的な監査、定期的な受け入れの確認が行われるため、外国人労働者にとって不利益が被りにくい制度になっています。そこで、特定技能を受け入れる企業、そして外国人の役に立てるような、便利なサービスを作りたいと思いSMILEVISAを始めました。

―――実際に、今様々な受入れ企業や特定技能外国人と接する機会が多いと思いますが、双方の大きな課題は何だと思われますか?

最近の傾向としてとしては、受入れ企業が特定技能外国人の管理を委託している場合、毎月かかっている委託管理費が、高いと感じ始めている企業が増えてきているという点ですね。

例えば技能実習生で初めて日本に来た場合については、日本語がまだ不十分であったり、日本の生活に慣れていない、仕事に慣れていない事が多いので、監理団体と協力しながらしっかりとケアしていく必要がありますよね。

一方で、特定技能の場合は技能実習を3年を終えた方であったり、日本の留学生であったり、あるいはある程度もうすでに日本語能力とその仕事に対するスキルを持っている状態であるならば、そこまで手厚いサポートというのは発生しないことが多いんです。

普段ほとんどサポートが発生していない場合においても、特定技能外国人1名に対して毎月2~3万円の管理費を払い、特定技能外国人が増えれば増えるほど何十万、何百万と管理費は雪だるま式に増えていきます。そこで、管理費が割高であると感じる企業は多いですね。

SMILEVISAでも日々、受入れ企業より相談を受けていますが、必要な時に十分な支援を委託先から受けられていないと感じていて、管理費を払い続けるべきか?というお声が多いです。

もう一つの問題点としては、管理委託をする際にセットで在留資格や定期届出などの書類作成・管理についてもお願いしている企業が多い点です。

そうなってくると、本来であれば自分たちで作成しなければならない書類について外部へ丸投げしてしまう状態になり、実際には内容がどうなっているのかわからないまま特定技能の受入れを続けることになります。

実際に、受け入れの実態と管理委託された人たちが作る書類の内容が違っている、という問題が発生しています。こうなると、出入国在留管理庁に間違った書類を提出していることになってしまうので、企業のコンプライアンス的に大きな問題になりえます。

また、特定技能外国人側が感じる課題については、受け入れ企業あるいは管理委託先が出入国在留管理庁が定めたルール通りに適切に運用していないケースが問題になりますね。例えば、相談苦情や定期的な面談についても、受入れ企業もしくは管理委託先がちゃんとやっていない、という話もよく聞きます。

外国人が日本で就労・生活する上で、困った時にどの窓口に連絡相談をすればいいのかわからないという状況が生まれ、職場への不満や不安、離職につながるんじゃないかなとは感じています。

―――川村代表は受入れ企業に特定技能外国人を自社で管理する「自社支援」を強く推奨していますが、それはなぜでしょうか?

私がSMILEVISAという事業を通じて受入れ企業の自社支援を推奨している理由はいくつかあります。

まず一つ目は、そもそも特定技能外国人を受け入れている企業のほとんどが、外国人に関わる社内・生活上トラブルについて、受入れ企業の担当者さんが対応していることが多いんですよね。そうなると、何のためにコストをかけて管理委託しているのか?という点に繋がってきます。それだったら自社で管理しても一緒なのでは?と。

続いて、先ほども述べた通り、管理委託を続けることによって、特定技能に関する書類作成がブラックスボックス化してしまっていて、受入れ企業が実態を把握できていないという状況が生まれている点にあります。

そこでトラブルになるケースが多いため、特定技能を自社で管理・受入れをして責任をもって自分たちで書類を作成し、受け入れていく、ということが重要であると考えています。

自分たちで特定技能の自社支援(管理)をすれば、委託管理費に毎年何十万と支払う必要もありません。この管理コストが下がっていくことによって、弊社のお客様も社員の給与のベースアップや、企業の成長に投資ができるようになったというお声も多いです。

私が受入れ企業の自社支援を強く推奨しているのは、外国人労働者が会社で活躍し、会社の成長に寄与できる環境を実現するため、自社支援はそのきっかけ作りになればいいと感じているからでもありますね。

―――これからの流れとして、特定技能の雇用や管理はどのような方向に向かっていくと思いますか?

今後の特定技能についての時代の流れとしては、まず前提として、出入国管理局によれば数字として去年は自社管理・自社支援をしている受入れ企業が約15%と出ていました。残り85%はまだまだ管理については外部委託しているというのが一般的となっています。

しかし、今後は、特定技能に関してこの自社支援・管理する割合というのはますます増えていくのは間違いないと思います。

というのも、今のSMILEVISAのお客様の話を聞いていても、管理費が割高であったり、支援を自分たちでできるのではないか?と気づき始めている企業が増えてきているという実感があるからですね。

また、実際に自社支援・管理を始めてみたら「最初は難しいというイメージがあったけれども、実際にやってみたら、自分たちだけで意外とできました!」というお声が圧倒的に多いです。そういうことに気づき始めて、そこからまた広がっていくんじゃないかなと感じています。

一方で、今まで一度も外国人の受け入れっていうのをやったことない企業も新しく採用する流れになると思いますね。ここ最近は人手不足が顕著で、特に外食や宿泊、介護、建設、農業分野でのSMILEVISAへのお問い合わせも増加傾向です。

今後は無期限で働ける特定技能2号制度の拡大も始まりますし、特定技能1号の受入れを始めたい!という企業はどんどん増えていくことは確実でしょう。

―――特定技能の受入れ企業に向けて、伝えたいメッセージをお願いします。

SMILEVISAスタッフと代表川村

こうやって、特定技能外国人の自社支援・管理について発信しているとよく誤解されがちなのですが、実は100パーセントの受入れ企業が自社管理をすることが望ましいかと言われると、そうではないんですよ。

それぞれの受入れ企業のステージであったり、人員体制などを考慮した場合に、自社支援・自社管理よりも、外部に管理を委託をしたほうがいいケースもあります。例えば、受け入れの人員体制が整っていない、受け入れが未経験であるケースなどです。

だからこそ、SMILEVISAにお問い合わせを頂いた受入れ企業様にヒアリングをし、適切な提案ができるように心がけています。その上で、経営判断として決めて頂くと。

その上で、社内の体制が整っている、すでにもう外国人を受け入れている実績があり、そのうえで管理費や内製化について課題感を感じているのであれば、自社支援・管理に切り替えていくということは選択肢として、強くオススメしています。

今後も、受入れ企業と特定技能外国人の双方にメリットをもたらすSMILEVISAの事業に力を入れていきたいと考えています。

       

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