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みなさんこんにちは!特定技能の書類作成・人材管理システムを提供しているSMILEVISAです。
令和5年6月9日に出入国在留管理庁から、特定技能2号の在留資格に係る制度の運用に関する方針の変更が発表されました。
航空分野の特定技能2号は、「高度に専門的・技術的な業務」とされており、特定技能1号と比較して、高い技能が求められます。航空分野では、特定技能1号と2号の受け入れが可能となっており、年々増加傾向です。
さらに、出入国在留管理庁によると、航空分野における令和6年4月から5年間の受入れ見込み数は、最大で4,400人とされており、深刻な人手不足を解消するために、特定技能外国人労働者の存在が重要とされています。
今回は、航空分野について特定技能2号へどうやって移行するのかを解説していきます。
航空分野の特定技能2号の業務内容は?

それぞれの区分の概要や業務内容は以下の通りです。
(空港グランドハンドリング区分)
空港グランドハンドリングの現場においては、社内資格等を有する指導者やチームリーダーとして、地上走行支援業務、手荷物・貨物取扱業務等に従事し、工程を管理することができるレベルが必要です。
〈 分野、区分の概要 〉
航空機の地上走行支援業務、手荷物・貨物取扱業務等
〈 従事する主な業務 〉
指導者やチームリーダーとして、工程を管理しつつ行う
・航空機地上走行支援業務
・手荷物・貨物取扱業務
・手荷物・貨物の航空機搭降載業務
・航空機内外の清掃整備業務
〈 想定される関連業務 〉
・事務作業
・作業場所の整理整頓や清掃
・積雪時における作業場所の除雪
(航空機整備区分)
航空機整備の現場においては、航空法の関連法令や規定を順守し、安全に整備を行えるレベルが必要です。
〈 分野、区分の概要 〉
航空機の機体、装備品等の整備業務等
〈 従事する主な業務 〉
自らの判断により、機体や装備品等の整備業務を行います。
・運航整備(空港に到着した航空機に対して、次のフライトまでの間に行う整備)
・機体整備(通常1~1年半毎に実施する、約1~2週間にわたり機体の隅々まで行う整備)
・装備品・原動機整備(航空機から取り下ろされた脚部や動翼、 飛行・操縦に用いられる計器類等及びエンジンの整備)
〈 想定される関連業務 〉
・事務作業
・作業場所の整理整頓や清掃
・積雪時における作業場所の除雪
引用:出入国在留管理庁「特定技能2号の各分野の仕事内容(Job Description)」

航空分野の特定技能2号に移行するための要件
航空分野において、特定技能1号から特定技能2号に移行するためには次の2つの要件を満たす必要があります。
- 試験への合格
- 実務経験
スムーズに移行を進めるためには、事前に必要な準備を十分に理解しておくことが重要です。ここでは、空港グランドハンドリングと航空機整備の必要な要件について詳しく説明します。
技能水準 | (ア)空港グランドハンドリング 航空分野特定技能2号評価試験の「空港グランドハンドリング」 (イ)航空機整備 航空分野特定技能2号評価試験の「航空機整備」又は航空従事者技能証明 |
実務経験 | (ア)空港グランドハンドリング 空港グランドハンドリングの現場にて、技能者を指導しながら作業に従事した実務経験がある (イ)航空機整備 航空機整備の現場にて、専門的な知識・技量を要する作業を実施した3年以上の実務経験がある |
参考:国土交通省ホームページ 航空分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針
空港グランドハンドリングの実務経験に関して
空港グランドハンドリングの実務経験とは、航空機の駐機場への誘導や移動、手荷物や貨物の仕分け、航空機への手荷物・貨物の移送や搭降載、客室内清掃など、特定技能2号として働くために必要な知識や技能を習得(安全管理規定の理解や作業資格の取得など)したうえで、新入社員などに指導した経験を指します。
航空機整備の実務経験に関して
航空機整備の実務経験とは、航空会社や航空機整備会社において、国家資格を持つ整備士などの指導・監督のもとで、ドック整備や材料・部品の領収検査など、機体や装備品に関する専門的・技術的な整備業務に3年以上従事した経験を指します。
航空分野の特定技能2号の試験内容

航空分野特定技能2号評価試験は「空港グランドハンドリング」と「航空機整備」の試験区分があります。業務で要件が異なるため、注意しましょう。
- 空港グランドハンドリング
「航空分野特定技能2号評価試験」
- 航空機整備
①航空分野特定技能2号評価試験
②「航空従事者技能証明」
※「航空従事者技能証明」については下記いずれかが必要
- 一等航空整備士(飛行機)
- 一考航空整備士(回転翼航空機)
- 二等航空整備士(飛行機)
- 二等航空整備士(回転翼航空機)
- 一等航空運航整備士(飛行機)
- 一等航空運航整備士(回転翼航空
- 機)
- 二等航空運航整備士(飛行機)
- 二等航空運航整備士(回転翼航空
- 機)
- 航空工場整備士(機体構造関係)
- 航空工場整備士(ピストン発動機関
- 係)
- 航空工場整備士(タービン発動機関
- 係)
- 航空工場整備士(プロペラ関係)
- 航空工場整備士(計器関係)
- 航空工場整備士(電子装備品関係)
- 航空工場整備士(電気装備品関係)
- 航空工場整備士(無線通信機器関係)
試験の概要は下記のとおりです。
「航空分野特定技能2号評価試験(空港グランドハンドリング・航空機整備)」
実施言語:日本語
実施主体:公益社団法人日本航空技術協会
実施方法:学科試験及び実技試験
【空港グランドハンドリング区分】
学科試験
実施方法 | ペーパーテスト形式 |
問題数 | 約45問 |
試験時間 | 60分 |
出題形式 | 選択式 |
出題内容 | 空港グランドハンドリングの管理・指導に関わる事項 |
合格基準 | 学科試験及び実技試験それぞれが合格点の65%以上 |
実技試験
実施方式 | 写真・イラスト等を用いた判断等試験 |
問題数 | 約20問 |
試験時間 | 30分 |
出題形式 | 選択式 |
出題内容 | 空港グランドハンドリングの管理・指導に関わる事項 |
合格基準 | 学科試験及び実技試験それぞれが合格点の65%以上 |
【航空機整備区分】
学科試験
実施方法 | ペーパーテスト形式 |
問題数 | 約35問 |
試験時間 | 90分 |
出題形式 | 選択式 |
出題内容 | 航空従事者技能証明の二等航空運航整備士相当の学科試験問題(機体) |
合格基準 | 学科試験及び実技試験それぞれが合格点の65%以上 |
実技試験
出題内容 | 作業試験で、航空従事者技能証明実地試験の二等航空運航整備士相当の締結、機械計測を実施 (ア)締結 適切な工具を使用して、ボルト・スクリュー及びナットの結合・回り止め(狭い場所のセイフティ・ワイヤー、コッターピン)が迅速かつ正確にできること。 (イ)機械計測 適切な計測器を使用して、機械計測ができること。 |
航空機整備区分で資格を受けるには、試験日の前日までに、航空機整備の現場で専門的な知識や技術が必要な作業を3年以上経験している必要があります。
学科試験と実技試験は、同じ日に同じ会場で実施されます。詳細・お申込みはこちらの日本航空技術協会(JAEA)からご覧ください。
「航空従事者技能証明書(航空機整備)」
実施言語:日本語
実施主体:国土交通省航空局
実施方法:CBT(コンピューター)形式
日本各地の試験会場から、受験者のご都合に合わせて日程や場所の選択が可能です。詳細やお申込みについては、こちらのPROMETRICホームページ航空従事者技能証明等学科試験からご覧ください。

航空分野の特定技能2号の申請に必要な書類

出入国管理管理庁の公式サイトでは、すでに特定技能2号を申請するための必要書類がこちらにて公表されています。
すべての分野で共通する書類以外に、航空分野では下記の書類の提出が必要です。
申請する特定技能外国人が、AとBどちらに該当するかを確認し、場合に応じて、いずれかを選択しましょう。
A)航空分野特定技能2号評価試験合格者の場合 | ①航空分野特定技能2号評価試験(空港グランドハンドリング)の合格証明書写し ②航空分野特定技能2号評価試験(航空機整備)の合格証明書写し |
B)航空従事者技能証明の取得者である場合 ※航空機整備の業務区分に限る。 | 航空従事者技能証明の写し 航空分野2号特定技能外国人に求められる実務経験に係る証明書(分野参考様式第9-3号) |
上記の書類に加え、下記の書類の提出も必須となります。
- 航空分野における特定技能外国人の受入れに関する誓約書(分野参考様式第9-1号)
【特定技能外国人の初回の受入れから4か月以上経過している場合】
- 協議会の構成員であることの証明書(特定技能所属機関)
航空分野の協議会についてはこちらでも解説していますので参考にしてみてください。
航空分野の特定技能2号のよくある質問
航空分野特定技能2号評価試験について、対策はどのようにしたらよいでしょうか?
航空分野特定技能2号評価試験では、日本航空技術協会より学習用テキストやサンプル問題が公開されています。詳しい情報は、以下のサイトからご覧ください。
空港グランドハンドリングの場合:日本航空技術協会 空港グランドハンドリング サポート情報
航空機整備の場合:日本航空技術協会 航空機整備 サポート情報
特定技能2号において、関連する分野への異動は認められますか?
特定技能外国人は労働者派遣が認められていません。派遣することも派遣されたものを受け入れることもできません。
特定技能2号を受け入れる際は、航空分野特定技能競技会への加入は必須ですか?
加入は必須です。特定技能外国人を受け入れるためには、協議会の構成員となって必要な協力を行うことが非常に大切です。
特定技能2号に移行するために、今から準備をしていきましょう!
新しく分野が拡大された特定技能2号。今後活用していく企業も増えていくと期待されます。
受入れ企業は新しい制度が開始されたときのために、特定技能1号からどのように移行できるのか必要条件や対応について考えておくことが大切です。
特定技能外国人にもメリットのある今回の改正内容を把握し、即戦力となる外国人労働者をサポートしていきましょう!
また、特定技能2号に関するセミナーもオンデマンド形式でいつでもご覧いただけます。参加費無料・オンライン開催で全国どこでも参加が可能ですので、ぜひご参加ください!
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※本セミナーは、受入れ企業様を対象としたセミナーとなります。それ以外の方、競合他社様のお申し込みについてはご遠慮くださいませ。
SMILEVISAではこれから特定技能を自社支援で受け入れていきたい、特定技能の管理費を大幅にコストカットしたい、書類の申請を効率化したい!とお考えの受入れ企業様向けの特定技能管理システムを提供しています。
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※本記事は現時点(2025年4月)で確認が取れている情報となります。制度変更や書類の書 式変更などで内容が変更になることもございますので、実際に申請する場合は必ず出入国 在留管理庁や在外公館まで直接お問い合わせいただくようお願い致します。