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みなさんこんにちは!SMILEVISAです。
特定技能外国人の数は、年々右肩上がりで増加しており、飲食料品製造分野も例外ではありません。飲食料品製造分野の在留資格を持つ特定技能外国人は、実は全特定技能の中でも人数がトップレベルとなっており、今後はより多くの外国人を雇用する受け入れ企業が増加すると見込まれています。
今回は、特定技能の飲食料品製造分野について、受け入れるための要件や業務内容、そして試験(特定技能1号技能測定試験)について詳しく解説していきます。
飲食料品製造業界で特定技能外国人が従事できる業務内容
飲食料品製造業において、特定技能資格を利用して従事できる業務は以下の通りです。
- 飲食料品製造全般(飲食料品の製造、加工、安全衛生)※酒類を除きます
加えて上記の業務の関連業務であれば付随的に従事することが可能になります。ただし関連業務のみに従事させることは認められていません。
【関連業務の例】
- 原料の調達、受け入れ
- 製品の納品
- 清掃
- 事業所の管理作業
注意点としては、総合スーパーマーケット及び食料品スーパーマーケット(※いずれも食料品製造を行うものに限る)に該当する事業所においては、関連業務としても販売業務に従事することはできないとされています。
業務が特定技能資格の分野に該当するか否か不明な場合は、農林水産省に問い合わせて確認することができます
参考:法務省・農林水産省編「特定の分野に係る特定技能外国人受け入れに関する運用要領-飲食料品製造業分野の基準について」
飲食料品製造業界で特定技能を受け入れる企業が満たすべき要件
①事務所が日本標準産業分類に該当していること
具体的には、以下基準を満たしている必要があります。
飲食料品製造業分野の1号特定技能外国人を雇用できる事業所は、主として次のいずれかに掲げるものを行っていることが求められます。
- 中分類09-食料品製造業
- 小分類101-清涼飲料製造業
- 小分類103-茶・コーヒー製造業(清涼飲料を除く)
- 小分類104-製氷業
- 細分類5621-総合スーパーマーケット(ただし、食料品製造を行うものに限る。)
- 細分類5811-食料品スーパーマーケット売業 (ただし、食料品製造を行うものに限る。)
- 細分類5861-菓子小売業(製造小売)
- 細分類5863-パン小売業(製造小売)
- 細分類5896-豆腐・かまぼこ等加工食品小売業(ただし、豆腐・かまぼこ等加工食品の製造を行うものに限る。)
出入国在留管理庁・特定技能運用要領「飲食料品製造業分野」より引用
飲食料品製造業の特定技能分野の業種(分類)をご紹介しましたが、要件が複雑であるため、ご自身での判断が不安な場合は、特定技能外国人と雇用契約を結ぶ前に農林水産省に電話で問い合わせることをオススメします。
参照:「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領 -飲食料品製造業分野の基準について-」
②食品産業特定技能協議会に加入し、必要な協力を行うこと
飲食料品製造業で初めて特定技能外国人を受け入れる場合、外国人の受け入れ後4ヶ月以内に製造業特定技能外国人材受入れ協議・連絡会に入会することが必要になります。
入会方法
- 入会フォームから申請
- 事務局からメールが届くため必要書類をpdf等で添付して返信する
- 審査には2週間〜1ヶ月程度かかります。承認後、加入証がメールで送付されます。
提出書類の内容など、詳しくはこちらのページからご参照いただけます。
③派遣による雇用形態ではないこと
飲食料品製造業の特定技能では、派遣による労働は対象外です。
飲食料品製造業で外国人が特定技能として働くための要件
外国人が特定技能資格を利用して飲食料品製造業で働くためには必要な要件があります。主に、特定技能の在留資格を得るためには下記の2つのパターンがあります。
パターン①飲食料品製造業技能測定試験に合格+日本語能力試験に合格
まず一つ目のパターンが、特定技能の飲食料品製造業技能測定試験と日本語能力試験を受験し、合格するルートです。
「飲食料品製造業技能測定試験」とは、一般社団法人外国人食品産業技能評価機構(OTAFF)が主催する試験です。この試験に合格することで、飲食料品製造分野で働くための技能要件を満たすことができます。
さらに、日本語能力試験への合格(「国際交流基⾦⽇本語基礎テスト」又は「⽇本語能⼒試験(N4以上)」)が必要です。JLPTはN5〜N1の5段階で日本語能力を評価する試験です。N1が最高難易度となります。一方JFT-Basicはレベルでの評価がありませんので、合格か不合格かという判定になります。
パターン②飲食料品製造分野の技能実習2号(もしくは3号)を良好に修了する
もう一つのパターンが、飲食料品製造分野の技能実習2号(もしくは3号)を修了する方法です。こちらは、日本語能力について新たに試験を受ける必要はなく、技能実習2号もしくは3号を良好に終了すれば自動的に日本語要件を満たしたとみなされます。
また、ほかの業種で技能実習を修了した場合でも、飲食料品製造分野への移行が認められています。以下の職種で技能実習2号を修了した外国人は試験免除で技能要件を満たすことができます。
- 缶詰巻締
- 食鳥処理加工業
- 加熱性水産加工食品製造業
- 非加熱性水産加工食品製造業
- 水産練り製品製造
- 牛豚食肉処理加工業
- ハム、ソーセージ、ベーコン製造
- パン製造
- そう菜製造業
- 農産物漬物製造業
※どれか1つでも修了すれば試験は免除されます。特定技能資格「食料品製造業」を得た場合、飲食料品製造業内の全ての職種で就労できます。
例えば、技能実習で「パン製造」だった者でも特定技能では「そう菜製造業」など他の職種で就労を行うことが可能です。
参考:法務省・農林水産省編「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領-飲食料品製造業分野の基準について-」
飲食料品製造分野・特定技能1号技能測定試験の内容
飲食料品製造分野の特定技能1号試験は、学科試験と実技試験2種類で80分間となり、ペーパーテスト(マークシート)方式です。
【全体の概要】
- 試験科目:学科試験と実技試験
- 試験時間:80分(※OTAFFの資料には70分と記載あり)
- 言語:日本語
- 実施方法:ペーパーテスト(マークシート)
- 合格基準は満点(150点)の65%以上です。
【出題範囲】
- 食品安全・品質管理の基本的な知識(食中毒に関する知識等)
- 一般衛生管理の基礎(5S活動の取組の徹底等)
- 製造工程管理の基礎(製造工程の管理と注意事項等)
- HACCPによる製造工程の衛生管理に関する知識(HACCPとは等)
- 労働安全衛生に関する知識(労働災害に関する知識等)
【学科試験の詳細】
問題数 | 30問 |
試験時間 | 70分(筆記と実技) |
出題形式 | 原則として三者択一 |
実施方法 | ペーパーテスト(マークシート) |
合格基準 | 満点の65%以上 |
【実技試験の詳細】
問題数 | 判断試験(8問)計画立案(2問) |
試験時間 | 70分(筆記と実技) |
出題形式 | 原則として三者択一 |
実施方法 | ペーパーテスト(マークシート) |
合格基準 | 満点の65%以上 |
OTAFF「飲食料品製造国内試験」より引用
具体的な試験対策については、学習用テキストが公開されています。飲食料品製造業特定技能1号技能測定試験国内試験案内(2024年4月以降適用)の学習テキストより確認ができます。
飲食料品製造分野の特定技能1号を採用する方法
飲食料品製造分野の特定技能の採用については、実際には外国人留学生のアルバイトから、特定技能1号へ移行するパターンが多くなっています。そのため、留学生のうちから企業で働いてもらい、卒業と同時に受け入れ企業から特定技能1号への移行を打診するケースも珍しくありません。
また、外国人雇用サービスセンターにおいても飲食料品製造分野の特定技能1号を受け入れたい企業に対して支援を行っています。
各都道府県の自治体においても、特定技能1号の求人を掲載するなどのサポートを行っているため、詳しくはOTAFFのWebページから探すか、自治体に直接相談することをおすすめします。
SMILEVISAでも飲食料品製造分野の特定技能1号のご紹介を行っています。お気軽にお問い合わせください。
飲食料品製造分野の特定技能・よくある質問と回答
質問①複数の事業所を運営しています。飲食料品製造分野に該当するものとそうでないものがあるのですが、特定技能を雇用できますか?
【回答】
複数の事業をおこなっている事業所の場合は、売上高において最も大きな割合を占める活動によって決定します。
ただし、賃加工と自社品製造を行う場合など、売上高だけで判断することが適当ではないと考えられる場合においては、生産される製品の産出額、販売額またはそれらの活動に要した従業員数等を用いて判断されます。
例えばですが、プロセスセンター、セントラルキッチン等の独立した事業所で飲食料品の製造・加工を営む事業所は、飲食料品製造業分野の対象となります。一方で、小売業(例:スーパーマーケット)が、事業所内(例:スーパーマーケットのバックヤードなど)で飲食料品の製造・加工を行う場合は、主要な経済活動が飲食料品の製造・加工ではないため、飲食料品製造業分野の対象とはなりません。
質問②同じ事業所内で製造し、販売しています。飲食料品製造分野の特定技能に該当しますか?
【回答】
販売先が小売業者や卸事業者等向けであれば該当します。例えば、お弁当(惣菜等)を製造し、小売業者や卸事業者等向けに卸売することは問題ありませんが、一般の消費者に販売する場合は飲食料品製造分野の特定技能に該当しません。
特定技能の自社支援、書類作成の効率化を始めませんか?
以上、飲食料品製造業で特定技能外国人を受け入れる方法について解説しました。特定技能を受け入れるための手続きは煩雑で、大きな手間がかかってしまいます。
SMILEVISAではこれから特定技能を自社支援で受け入れていきたい、特定技能の管理費を大幅にコストカットしたい、書類の申請を効率化したい!とお考えの受入れ企業様向けの特定技能管理システムを提供しています。
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※本記事は現時点(2024年8月)で確認が取れている情報となります。制度変更や書類の書式変更などで内容が変更になることもございますので、実際に申請する場合は必ず出入国在留管理庁や在外公館まで直接お問い合わせいただくようお願い致します。