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みなさんこんにちは、SMILEVISAです!
特定技能外国人の受入れ可能な分野では、分野ごとに専門の協議会が設置されています。
協議会では特定技能外国人に関するさまざまな活動を行っており、受入れ企業にとって重要な役割があります。また、協議会への加入を忘れてしまうと特定技能外国人の受入れができなくなってしまうため、協議会の仕組みを正しく理解しておかなければなりません。
そこで今回は、特定技能の建設分野の協議会加入について詳しく解説していきます。
建設分野の協議会は、ほかの分野と比べて少し仕組みが異なりますので、加入方法や注意点をしっかり確認していきましょう。
特定技能の建設分野とは?
はじめに、建設分野で特定技能外国人が従事できる業務内容を確認しておきましょう。
令和4年8月30日の閣議決定により、建設分野の業務区分が19区分から3区分に統合されました。
具体的な業務内容は下記の通りです。
1.土木区分 | コンクリート圧送・とび・建設機械施工・舗装工事・造園工事・塗装工事・防水工事など |
2.建築区分 | 建築大工・鉄筋施行・とび・屋根工事・左官工事・内装仕上げ・ガラス工事・板金工事など |
3.ライフライン・設備区分 | 水道施設工事・消防施設工事・電気通信工事・電気工事など |
これらの3つの業務区分は作業の性質をもとにした区分であり、建設分野で働く特定技能外国人は、
従事可能な業務範囲が拡大、柔軟に建設分野で働くことが可能となりました。
業務内容を確認したところで、さっそく建設分野の協議会について見ていきましょう。
建設分野の協議会とは?
特定技能制度では分野ごとに協議会を設置し、特定技能外国人の受入れに関するさまざまな活動を行うことが定められています。
その中でも、建設分野の協議会は他の分野と比べて仕組みが異なります。
建設分野の受入れ企業は協議会に加入する代わりに、特定技能外国人受入企業実施法人として登録されている「建設技能人材機構(JAC)」と呼ばれる機関に加入することになります。
そこで、次の見出しからは建設分野で協議会の役割を持つ「建設技能人材機構(JAC)」について解説していきます。
一般社団法人建設技能人材機構(JAC)とは?
一般社団法人建設技能人材機構(JAC)は、特定技能外国人の受入れに関する専門工事業団体及び元請建設業者団体により、2019年4月1日に設立された団体です。JACは国土交通大臣により特定技能外国人受入事業実施法人として登録されており、議決権のある正会員(建設業者団体)と、議決権のない賛助会員によって構成されています。
JACの目的は、建設分野の人材確保と建設業の健全な発展です。具体的には次のような活動を行います。
- 建築技能者全体の処遇改善
- 低賃金・保険未加入・劣悪な労働環境などのルールを守らないブラック企業の排除
- 失踪・不法就労の防止
- 外国人の教育訓練・技能試験の実施
- 建設分野の特定技能外国人に対する職業紹介
これらの活動に協力していくため、受入れ企業はJACへの加入が必須条件となります。
建設分野で協議会の役割を持つJACへの加入の流れは?必要な手続きをチェック!
建設技能人材機構(JAC)への加入手続きの前に、まずは受入れ企業が建設業法第3条の許可を受けていることを確認しましょう。建設分野で特定技能外国人を受入れるには、建設業の許可が必要です。
建設業許可の確認には、建設特定技能受入計画に建設業許可番号を記載し、建設業許可通知書の写しが必要となります。
建設業の許可を得ていることを確認できたら、さっそくJACへの加入手続きを始めましょう。
JACは議決権のある正会員と議決権のない賛助会員により構成されていることをお伝えしましたが、受入れ企業は下記のどちらかの形でJACに加入します。
1.JACの正会員である建設業者団体の会員になる(間接的な加入方法)
2.JACの賛助会員になる(直接的な加入方法)
1、2のどちらの方法で加入するかは、受入れ企業で選択が可能です。
それでは、それぞれの加入方法について詳しく解説していきます。
1.JACの正会員である建設事業者団体の会員になる場合(間接的な加入方法)
受入れ企業は正会員の建設業者団体に加入することで、特定技能外国人の受入れが可能となります。
正会員である建設事業者団体の会員になる間接的な加入方法では、正会員の団体へ直接加入の申請をします。
JACの正会員の建設事業者団体はこちらの建設技能人材機構HP正会員団体の一覧から確認できますので、希望する団体へ問い合わせてください。団体の申請方法に基づき、加入手続きや会員証の発行などの手続きを行いましょう。
2.JACの賛助会員になる場合(直接的な加入方法)
現在、JACには2377の建設企業が賛助会員として加入しています。
JACの賛助会員になる場合は、まずはこちらのページにある資料請求フォームから資料をダウンロードしてください。
以下の画面から、手順に従って入会申請を行いましょう。
一般社団法人JAC建設技能人材機構|建設技能人材機構(JAC)入会のご案内より引用
JACの賛助会員になる手順は下記の通りです。
①入会資料のダウンロード | JACのHPにある資料請求フォームに必要事項を記入し、送られてくるメールのURLから資料をダウンロードします。 ※登録支援機関に委託している場合でも、入会する受入れ企業で行いましょう。 |
➁エントリーフォームから入会申請 | ダウンロード時のメールに記載されているエントリーフォームから、入会申込みを行います。 |
③必要な書類の送付 | ダウンロードした資料にある書類を記入し、送付します。具体的には履歴事項全部証明書や、印鑑証明書などの提出が必要です。 |
④入会審査・承認 | 入会審査は毎月25日の午前12時までの申し込み分を対象に行い、翌月の第2営業日に承認されます。 |
⑤会員証の発行 | 入会審査で承認されると、会員証の発行手続きの案内がメールで届きます。メールの内容に従って手続きを完了させましょう。 |
建設分野の協議会(JAC)はどのタイミングで加入すればいい?
JACへ加入するタイミングですが、受入れ企業は出入国在留管理局への特定技能の在留申請をする前に加入していなければなりません。
JACに加入していることを証明する会員証明書は、建設特定技能受入計画の認定申請に必要です。そのため、受入れ企業は外国人を受入れる前に加入が必要であるということです。
建設分野の協議会(JAC)にかかる費用や所要時間は?
JACに加入する場合の費用は、受入負担金として特定技能外国人1人あたり1.25~2万円/月となっています。
受入負担金の詳細は下記の通りです。
一般社団法人建設技能人材機構|受入負担金についてより引用(2023年11月時点)
さらにJAC加入後の会費については、正会員団体の会員として間接的に加入する場合と、賛助会員として直接的に加入する場合で下記のように違いがあります。
加入方法 | 加入後の会費 |
正会員団体の会員として間接的に加入する場合 | 加入する団体が定める会費負担のルールに従います(JACとしての年会費は不要です) |
賛助会員として直接的に加入する場合 | 年会費として24万円がかかります(入会金はありません) |
間接的な加入である正会員団体の会員になる場合の多くは、加入した建設業者団体が受入れ企業から費用を徴収することになります(一部の場合は口座振替にてJACに直接費用を支払います)。
直接的な加入である賛助会員にかかる年会費の24万円は、会員証発行月の翌月26日に登録した口座から引き落とされます。
JACの加入にかかる所要時間についてですが、毎月25日の午前12時までに申し込みが完了すると、翌月の第2営業日に内容を確認したのち承認されます。
承認された場合は会員証の発行手続きに入りますので、加入手続きがすべて完了するまでには数週間かかることになります。
登録支援機関に委託していても協議会の加入は必要?
受け入れ企業の協議会(JAC)加入は義務付けられていますが、登録支援機関のJACへの加入は任意です。
加入する場合、登録支援機関は下記の事項を守らなければなりません。
- 出入国管理及び難民認定法に規定する登録拒否事由に当てはまる者ではないこと
- 特定技能外国人の支援に必要な費用について、外国人に負担させないこと
- 支援の範囲や支援委託費用についてサイトに掲載し、掲載内容以外の費用を受入れ企業に請求しないこと
- 受入れ企業に対してJACが行う職業紹介事業の周知や活用促進などの協力をすること
- 一般財団法人国際建設技能振興機構(FITS)の巡回訪問・調査指導に協力すること
建設分野の協議会加入(JACへの加入)の注意点
JACの賛助会員で登録した情報が変更になった場合は?
JAC加入時に登録した内容が変更になった場合は、必ず変更の申請を行いましょう。
登録した情報が変更になった場合は、こちらの会員情報変更フォームから変更内容を申請してください。入力できない情報の変更点については、こちらのお問い合わせフォームから変更申請を行いましょう。
受入負担金は特定技能外国人に負担させない
受入負担金とは、特定技能外国人1人につき毎月負担していく費用のことです。受入負担金は特定技能外国人を支援していくさまざまな活動に使用されますが、特定技能外国人に支払わせてはいけません。
JACへの直接的・間接的な加入を問わず、特定技能外国人の負担にならないように注意しましょう。
建設分野の協議会加入は特定技能の在留申請前に!加入にかかる費用についても確認しておきましょう
建設分野では、特定技能受入事業実施法人であるJACと呼ばれる団体への加入が必須となっています。受入れ企業はJACに加入し、ほかの分野の協議会と同じように特定技能外国人を適切に受入れるためにさまざまな活動を行っていきます。
建設分野の注意点としてJACの加入にかかる費用や、特定技能の在留申請前にJACに加入しておくなどのポイントがあります。
今回お伝えした2つのパターンでの加入方法を理解しておき、計画通りに特定技能外国人を受入れていきましょう!
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※本記事は現時点(2023年11月)で確認が取れている情報となります。制度変更や書類の書式変更などで内容が変更になることもございますので、実際に申請する場合は必ず出入国在留管理庁や在外公館まで直接お問い合わせいただくようお願い致します。