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みなさんこんにちは、SMILEVISAです!
近年、日本企業は外国人の雇用が増加しています。国としても人材確保をするために外国人雇用の制度が整えられ、今後ますます増加していく傾向です。
そこで、今回は外国人を採用することで受けられる助成金についてお伝えします。今回の記事では、以下の事をお伝えしています。
- 事業者が受給できる助成金の種類
- 外国人を採用する事で受給できる「人材確保等支援助成金」
- 助成金の受給条件
- 受給額について
- 人材確保等支援助成金の申請方法
全てきちんと理解し、外国人労働者が働きやすい職場環境の整備に努めましょう!
雇用により事業者が受給できる助成金とは?
外国人、日本人に関わらず日本が雇用する上で対象となる事業主が受けられる助成金は約8つに分類されています。
- 雇用維持関係の助成金
- 在籍型出向支援関係の助成金
- 再就職支援関係の助成金
- 転職・再就職拡大支援関係の助成金
- 雇入れ関係の助成金
- 雇用環境の整備関係等の助成金
- 仕事と家庭の両立支援関係等の助成金
- 人材開発関係の助成金
また助成金の趣旨は、被保険者(雇用保険被保険者)であった者及び被保険者になろうとする者に関し、失業の予防、雇用状態の是正、雇用機会の増大その他雇用の安定、職業能力の開発や向上を図るため、一定の要件を満たした事業主または事業主や事業主団体に対して、必要な助成を行うものです。
どの助成金に該当するか分からない、という方は雇用関係助成金検索ツールが厚生労働省のホームページから利用できますのでそちらで確認してみましょう!(URLは記事後半に記載しています)
取り組み内容や対象者を選択することで、事業者が受給できる助成金を知らせてくれるシステムになっています。
外国人を採用するともらえる外国人雇用助成金とは?
事業者が受けられる助成金がたくさんある中で、外国人を雇用することで受給できる助成金は人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)です。実際どのような助成金なのか、受給条件や申請方法などについて詳しく説明していきます。
人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)について
外国人を雇用すると、人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)が受給できます。外国人労働者は、日本の労働基準や日本社会の習慣、知識や言語の違いにより、労働環境におけるトラブルが多く報告されています。
人材確保等支援助成金は、トラブルの防止や外国人労働者に配慮した職場環境を整える事業者に対して、その経費の一部を助成する制度となります。
外国人雇用助成金(人材確保等支援助成金)の受給条件
人材確保等支援助成金を受給するための条件として、次1から3の全ての条件を満たしている必要があります。
- 外国人労働者を雇用している事業主である
- 認定を受けた就労環境整備計画に基づき、外国人労働者に対する就労環境整備措置(1.2は必須、3~5のいずれか1つ)を新たに導入し、実施する
- 1雇用労務責任者の選任
- 2就業規則等の社内規程の多言語化
- 3苦情・相談体制の整備
- 4一時帰国のための休暇制度の整備
- 5社内マニュアル・標識類等の多言語化
- 就労環境整備計画期間終了後の一定期間経過後における外国人労働者の離職率が10%以下である
厚生労働省ホームページより引用
また全ての助成金における共通の条件が以下となります。
- 雇用保険適用事業所の事業主(支給申請日及び支給決定日の時点で雇用保険被保険者が存在する事業所の事業主であること)
- 助成金の支給又は不支給の決定に係る審査に必要な書類等を整備、保管している事業主である。
- 助成金の支給又は不支給の決定に係る審査に必要であると管轄労働局長、(65歳超雇用推進助成金については機構理事長)が認める書類等を管轄労働局長の求めに応じて提出し、実地調査や審査に協力する。
- 「第2 各助成金別要領」に定めがある場合は、各助成金ごとに定める要件を満たす事業主である。
また受給対象となるのは、外国人を雇用している「事業主」です。事業主とは、事業の経営の主体である個人または法人若しくは法人格がない社団若しくは財団を指します。
以下の表は中小企業の範囲を示したものになります。雇用関係助成金には、助成内容が中小企業と中小企業以外とで異なるものがあります。原則として、次の表の「資本金の額・出資の総額」か「常時雇用する労働者の数」のいずれかを満たす企業が「中小企業」に該当します。
助成金が受給できる具体的な取り組み
就労環境整備措置における必要経費を助成金で補うことができます。就労環境整備措置として、以下の表の通りに、事業主は就労環境を整える必要があります。
必須項目に加えて、選択をいずれか1つ選ぶ必要があります。
必須 or 選択 | 項目 | 内容 |
必須 | 雇用労務責任者の選任 | 雇用労務責任者事業所ごとに選び、全外国人労働者と3か月に1回の面談をすること。(オンライン可) |
必須 | 就業規則等の社内規定の多言語化 | 就業規則等の社内規定に関する書類を全て多言語化し、それを計画期間内に外国人労働者に周知すること。 |
選択 | 苦情・相談体制の整備 | 全外国人労働者のフォロー体制を整える。外国人労働者が使用する言語での苦情・相談に応じること。 |
選択 | 一時帰国のための休暇制度の整備 | 全外国人労働者が一時帰国を希望した場合に必要な有給休暇を取得させること。また1年で1回以上連続5日以上の休暇と取得させること。 |
選択 | 社内マニュアル・標識類等の多言語化 | 社内マニュアルや標識類を多言語化し、計画期間内に全外国人労働者に周知すること。 |
賃金要件について
助成金を受けるにあたり、賃金の要件にも規定があります。外国人労働者就労環境整備助成コースにおける「賃金要件」とは、以下の通りです。
・外国人労働者の毎月の賃金で、最も遅い就労環境整備措置の実施日の翌日から1年以内に5%以上増加している場合、助成額が加算されます。(それぞれの外国人労働者の改定後3か月間の賃金総額と改定前3か月間の賃金総額を比較して判断される)
人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)ガイドブックより引用
外国人雇用助成金の受給額について
人材確保等支援助成金は以下の通りです。受給要件をすべて満たした場合に、支給対象経費の合計額に助成率を乗じた下表の額が支給されます。
区分 | 支給額(上限額) |
賃金要件を満たしていない | 支給対象経費1/2(57万円まで) |
賃金要件を満たしている | 支給対象経費2/3(72万円まで) |
また対象となる経費は以下となります。
- 通訳費(外部機関等に委託をするものに限る)
- 翻訳機器導入費(事業主が購入した雇用労務責任者と外国人労働者の面談に必要な翻訳機器の導入に限り、10万円を上限とする)
- 翻訳料(外部機関等に委託をするものに限り、社内マニュアル・標識類等を多言語で整備するのに要する経費を含む)
- 弁護士、社会保険労務士等への委託料(外国人労働者の就労環境整備措置に要する委託料に限り、顧問料等は含まない)
- 社内標識類の設置・改修費(外部機関等に委託をする多言語の標識類に限る)
厚生労働省ホームページより引用
人材確保等支援助成金は、事業主単位(企業単位)で支給します。事業所単位で支給するものではありませんので、注意してください。
外国人雇用助成金(人材確保等支援助成金)の申請について
申請の流れについては、以下の通りです。
- 就労環境整備計画を作成・提出【計画期間:3か月~1年】
- 就労環境整備措置の導入
- 就労環境整備措置の実施
- 支給申請
- 助成金の支給
1~5の流れについては、それぞれ期間が定められており、例としては以下の通りとなります。
人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)ガイドブックより引用
まずは就労環境整備計画書を作成と提出を行い、その計画書通りに措置を実施、それが完了してから支給申請が可能となります。まずは就労環境整備計画書を作成から支給条件を満たすまでの流れをお伝えします。
人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)(P2)より引用
就労環境整備計画の作成と提出
まず上記図の①計画の内容についてです。計画書を作成し、労働局長の認定を受けることが必要です。「人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)就労環境整備計画(変更)書」(様式第a-1号)により、外国人労働者の就労環境の整備に関する計画を作成する必要があります。
計画開始日からさかのぼって、6か月前~1か月前の日の前日までの提出が必要で、計画期間は3か月以上1年以内です。複数の計画を一度に提出することはできません。
また、計画書の提出先は計画書を本社の所在地を管轄する各都道府県労働局です。申請書類は、都道府県労働局のほかハローワークに提出できる場合もあります。管轄の都道府県労働局へお問い合わせください。
就労環境整備計画に変更がある場合は?
一度認定された計画書の内容を変更する場合は、「人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)就労環境整備計画変更書」を提出する必要があります。基本的な変更内容は以下のがあります。
- 就労環境整備計画期間を変更する場合
- 就労環境整備措置を変更する場合
- 就労環境整備措置の対象となる外国人労働者を追加する場合
- 雇用労務責任者を追加する場合
それぞれの変更内容により、変更書を提出する期限が異なりますので注意が必要です。変更する場合は、「人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)ガイドブック」を必ず確認の上、速やかに手続きを行いましょう。
就労環境整備措置の導入と実施
計画書が受理されたら上記図②、認定された計画に基づき就労環境整備措置の導入・実施をします。具体的な取り組みとして説明した通り、以下の就労環境整備措置が助成金の対象となります。★は必須、他選択
- 雇用労務責任者の選任★
- 就業規則等の社内規程の多言語化★
- 苦情・相談体制の整備
- 一時帰国のための休暇制度の整備
- 社内マニュアル・標識類等の多言語化
計画書の施行年月日については、以下の通りとなります。
人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)ガイドブックより引用
離職率目標を達成すること
図③離職率に関する条件を満たす必要があります。内容としては、外国人労働者離職率と日本人労働者離職率の両方を達成しておく必要があります。具体的な内容は「外国人労働者の離職率が10%以下であること」「日本人労働者の評価時離職率が日本人労働者の計画時離職率を上回っていないこと」です。
算出方法は外国人労働者、日本人労働者それぞれ下記の図を参照にしてください。
人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)(P13.14)より引用
ここまでの計画書の作成、実施、離職率の条件を満たす事ができれば助成金の申請が可能です。申請については、事項から説明します。
支給申請期間
助成金の支給を受けるときは、評価時離職率算定期間の末日の翌日から2か月以内に申請書その他必要な書類を本社の所在地を管轄する都道府県労働局に提出します。事業者は書類等を申請する必要があり、厚生労働省の助成金受給のための共通要項(P8)において、申請期間が以下のように定められています。
支給申請は、基本的に全ての助成金がそれぞれ定めている日の翌日から数えて、2か月以内に行う必要があります。ただし、支給申請期間の末日が行政機関の休日(土曜日、日曜日、祝日、12月29日から翌年の1月3日までの日)に当たる場合は、次の開庁日が支給申請期間の末日とみなされます。また、天災や、その他支給申請期間内に助成金の支給を申請しなかったことについてやむを得ない理由があるときは、その後1か月以内に理由を記した書面を添えることで、期限を過ぎてからでも申請することができます。
支給申請方法
助成金の支給を受けたい場合は、評価時離職率算定期間の末日の翌日から2か月以内に申請書その他必要な書類を本社の所在地を管轄する都道府県労働局に提出する必要があります。
また申請については、ハローワークシステム(助成金電子申請事務処理)「雇用関係助成金ポータル」雇用調整助成金・産業雇用安定助成金オンライン受付システムまたはeGov電子申請により行う「電子申請」もあります。利便性や負担軽減の面からも、近年ではオンラインでの申請が推進されていますので、これから申請を考えられる方は、オンライン申請がおすすめです。
受給方法
助成金の支払いは、申請の際に指定したハローワークシステム(助成金事務処理)に記録されている、事業主等の支払先口座に振り込まれます。
代理受領は原則として認められていませんので注意しましょう。また助成率を設けている助成金の端数処理については、100円未満が切り捨てとなりますので、確認の際間違えないようにしましょう。
助成金の支給方法や流れについては、厚生労働省のホームページに掲載されている人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)ガイドブックから確認ができます。
外国人雇用をする事業主さんは外国人雇用助成金を活用しましょう
雇用を確保する上で、外国人労働者を雇用したいと考えている事業者、すでに雇用を行っている事業者もあると思います。外国人雇用をすることで受給できる助成金をしっかりと調べて、助成金を有意義に利用してください。
下記は助成金申請時に参照できるリンクです。ぜひご活用ください!
助成金申請書 | 各種申請書類、共通要領 様式第1号 支給要件確認申立書 |
申請の流れについて | 外国人労働者を雇用する事業主の皆様へ引用 |
WEB申請 | 電子申請マニュアル |
助成金について | 雇用関係の「助成金」を活用してみませんか |
人材確保等支援助成金について | 人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)ガイドブック |
人材確保等支援助成金のよくある質問 | 人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)Q&A |
外国人雇用をする事業者が受給できる助成金は人材確保等支援助成金です。また外国人雇用助成金は、厚生労働省にて方針の決定や管理が行われています。助成金は、細かい決まりや規定が定められています。疑問点や質問事項は、自分で判断せずに専門機関に確認しながら慎重に進めるようにしてください。
その他にも助成金に関することでご不明な点はまたは、厚生労働省ウェブページをご覧いただくか、最寄りの都道府県労働局職業安定部職業対策課(助成金センター)へお問い合わせいただけますのでご活用ください。
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※本記事は現時点(2023年12月)で確認が取れている情報となります。制度変更や書類の書式変更などで内容が変更になることもございますので、実際に申請する場合は必ず出入国在留管理庁や在外公館まで直接お問い合わせいただくようお願い致します。