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みなさんこんにちは!
SMILEVISAです。
今後、アフターコロナでますます人材不足が顕著になりそうな外食分野ですが、このタイミングで特定技能の採用を考えている受入れ企業も多いのではないでしょうか?
その際に、実際の業務が特定技能を採用できる基準に当てはまっているのか?という点を確認しておく必要があります。店舗での業務のみならず配達業務も任せていいのか?など、気になる点は多いですよね。
今回は、外食分野において特定技能が従事できる業務について詳しくご説明したいと思います。
外食分野での特定技能の受入れ状況は?
令和5年4月に農林水産省より発表された「外⾷業分野における特定技能外国⼈制度について」という資料においては、現在の外国人労働者数はおよそ18.5万人と多くの外国人がすでに日本で働いているという事実が読み取れます。
さらに、令和4年12月時点での特定技能外国人のみで数字を見てみると、およそ5千人を超える外国人が働いているというデータが出ています。
コロナの流行が明け、インバウンド需要も急激に回復している現在では、多くの外食業へ客足が戻ってきており、それに伴い特定技能外国人の受け入れ人数も今後急激に増加していくことが見込まれます。
特定技能が外食分野で従事できる業務は?
出入国在留管理庁では、外食分野の特定技能外国人が従事できる業務は出入国在留管理庁「特定技能運用要領・各種様式等・外食」で下記と定めています。
- 飲食物調理
- 接客
- 店舗管理
具体的にそれぞれの項目を詳しく見ていきます。
1.飲食物調理
出入国在留管理庁では、「客に提供する飲食料品の調理、調製、製造を行うもの」と定義されていますが、具体的には下記の業務が含まれます。
- 食材仕込み
- 加熱調理
- 非加熱調理
- 調味
- 盛付け
- 飲食料品の調製等
わかりやすく言えば、飲食店のキッチンで行う業務全般を指しています。
2.接客
接客については、「客に飲食料品を提供するために必要な飲食物調理以外の業務を行うもの」と定義されていますが、具体的には下記の業務が含まれます。
- 席への案内
- メニュー提案
- 注文伺い
- 配膳
- 下膳
- カトラリー
- セッティング
- 代金受取り
- 商品セッティング
- 商品の受け渡し
- 食器・容器等の回収
- 予約受付
- 客席のセッティング
- 苦情等への対応
- 給食事業所における提供先との連絡・調整 等
こちらは多岐にわたりますが、一般的にはウエイターが行う業務全般が含まれています。ホールで採用する場合などはこちらに当たります。
3.店舗管理
そのほか、店舗管理として「店舗の運営に必要となる上記2業務以外のもの」が定められています。例としては、下記の通りです。
- 店舗内の衛生管理全般
- 従業員のシフト管理、求人・雇用に関する事務
- 従業員の指導・研修に関する事務
- 予約客情報・顧客情報の管理、
- レジ・券売機管理
- 会計事務管理
- 社内本部・取引事業者・行政等との連絡調整
- 各種機器・設備のメンテナンス、
- 食材・消耗品・備品の補充、発注、検品又は数量管理
- メニューの企画・開発
- メニューブック・POP 広告等の作成
- 宣伝・広告の企画、店舗内外・全体の環境整備、店内オペレーションの改善、作業マニュ
アルの作成・改訂 等)
こちらの業務については、店舗をマネジメントしたり、従業員の研修を行ったりと包括的な業務も含まれることになります。
外食分野の業務は幅が広い?
先ほどご紹介した通り、 外食業分野においては、特定技能1号が担当できる業務の幅は広いということになります。外食業全般においては、キッチンとホール業務を兼務したり、臨機応変に対応が求められるため、このように広い範囲で働くことができると言えます。
ですが、受け入れ先の業務に応じ、一定期間、特定の業務にのみ従事しても問題はありません。キッチンならばキッチン、ホールならばホール、新人研修なら研修のみ、という業務体系も、臨機応変に対応することができます。
外食分野の特定技能が従事できる具体的なビジネス例は?
特定技能を受け入れる外食企業にも様々な業務形態が存在しますが、実際に特定技能を受け入れることができる業態とはどのようなものでしょうか?具体的には下記の通りとなります。
(1) 客の注文に応じ調理した飲食料品、その他の飲食料品をその場で飲食させる
こちらは通常の飲食サービス業にあたる、食堂やレストラン、料理店等の飲食店、喫茶店等が該当します。多くの外食分野の受入れ企業はこちらの業務形態に当たります。
(2) 飲食することを目的とした設備を事業所内に有さず、客の注文に応じ調理した
飲食料品を提供する持ち帰り飲食サービス業
こちらについては、持ち帰り専門店を指します。厨房のみ設置し、食事をテイクアウト専門として提供している業態になります。
身近な例で言えば、唐揚げや焼き鳥、サンドイッチのテイクアウトなどが該当します。
(3) 客の注文に応じ、事業所内で調理した飲食料品を客の求める場所に届ける配達飲食サービス業
こちらは、事業所内で調理したものを配達するサービスを提供する飲食店が該当します。例えば、仕出し料理や弁当屋、宅配専門店、配食サービス事業所などがこれにあたります。
(4) 客の求める場所において調理した飲食料品の提供を行う飲食サービス業
こちらについては、客が指定した場所において調理した飲食料品の提供を行っている業務形態が該当します。例えばケータリングサービス店や給食事業所等がこれにあたります。
なお、飲食サービス業を行っている事業所に当たるか否かを判断するに当たっては、飲食サービス業を営む部門の売上げが当該事業所全体の売上げの主たるものである必要はありません。
このため、例えば、宿泊施設内の飲食部門や医療・福祉施設内の給食部門などで就労させることも可能です。
このように様々な業態で外食業にて特定技能外国人を受け入れることができます。
例えばですが、いくつか複数のサービスを提供しており、そのうちの一つが外食業である場合でも、受入れは可能です。その場合は外食業の売り上げがメインである必要は特にありません。
これにより、ホテルや旅館などの宿泊施設の厨房であったり、病院や介護施設の給食部門などでも、外食分野として特定技能外国人が就労できるようになっています。
これまでどのような業務形態で特定技能外国人を受け入れることができるのかをご説明しましたが、もし受入れ企業の業務形態が該当するかどうかわからない場合は下記まで問い合わせましょう。
農林水産省大臣官房新事業・食品産業部外食・食文化課
〒100-8950 東京都千代田区霞が関1-2-1
TEL 03(6744)7177
日本人が行っている業務を手伝うのはOK?
通常日本人が行っている業務に特定技能外国人が従事することができるのでしょうか。これは、出入国在留管理庁の分野別運用要領に記載があり、「日本人が通常従事することとなる関連業務に付随的に従事することは差し支えがない」と述べられています。
例えばですが、飲食店で提供する原材料の(農林水産物など)生産や、カフェや飲食店で販売している調理品以外の物品の販売もOKとなります。よく飲食店では自家製のドレッシングやコーヒーなどを販売していることがありますが、こちらの販売業務に関しても「付随的な業務」として従事することができます。
ですが、こちらの「付随的な業務」のみに従事することは認められていませんので注意が必要です。特定技能外国人として定められた業務のほかに、補助的な意味合いで行う分は許可されています。そのため、もっぱら雑貨や食料品の販売に従事したりすることはNGです。
外食分野の業務での注意点!従事できない業務は?
特定技能外国人を受け入れる企業には、外国人を従事させてはいけない業務があることにも注意が必要です。注意点は下記の通りです。
消費者に向けてサービスを提供することが前提
飲食店事業者は、飲食料品を消費(飲食、喫食)する客に向けてサービスを行っている必要があります。つまり、特定技能外国人が働く事業所について、BtoCでのサービスが成り立っていることが前提となります。
しかし、飲食料品を提供する相手は消費せず、不特定の消費者に販売する目的で仕入れている場合は B to Bのビジネスとなるため、飲食サービス業による客への提供には該当しないということになります。
接待飲⾷等営業関係はNG
特定技能外国人を接待飲食等営業関係に従事させることは禁じられています。具体的には下記の通りで出入国在留管理庁にて、定められています。
① 1号特定技能外国⼈に対して、⾵俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律
(以下「⾵俗営業法」という。)第2条第1項に規定する「⾵俗営業」及び同条第5項
に規定する「性⾵俗関連特殊営業」を営む営業所において就労を⾏わせないこと。
② 1号特定技能外国⼈に対して、⾵俗営業法第2条第3項に規定する「接待」を⾏わせ
ないこと。
※「⾵俗営業」 及び「性⾵俗関連特殊営業」を営む営業所においては、「飲⾷物調理」、「接
客」、「店舗管理」の業務であっても、1号特定技能外国⼈を就労させることはできません。
出典 出入国在留管理庁「特定技能運用要領・各種様式等・外食」より
つまり、接待を伴う飲食店であるキャバクラやホスト、バーなどでは特定技能外国人を受け入れることはできません。
特定技能外国人はフードデリバリー(配達)業務ができる?
特定技能外国人が飲食店や弁当屋などで働く場合は、近年のUberEatsなどの台頭によって配達業務が発生することもあります。
結論から言えば、特定技能外国人は、配達業務に従事することは可能です。しかし、配達業務のみに充実することはできないことに注意が必要です。
外食分野の運用要領に定められた業務をメインとし、付随的な業務として配達をする分には問題はありません。しかし、運転免許を持っているかどうかなどの確認や各国交通ルールなどの違いがあるため安全性の観点からは配達業務を任せるかどうかは慎重に検討したほうが良いかもしれません。
今後ますます外食分野での特定技能外国人受け入れは拡大傾向へ
以上、外食分野で特定技能外国人を受け入れる際の詳細についてご紹介しました!
冒頭にもあったように、今後は外食分野での特定技能外国人の需要が増加するとともに、自社支援に切り替える受入れ企業も増えていくことが予想されます。
SMILEVISAではこれから特定技能を自社支援で受け入れていきたい、特定技能の管理費を大幅にコストカットしたい、書類の申請を効率化したい!とお考えの受入れ企業様向けの特定技能管理システムを提供しています。
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※本記事は現時点(2023年5月)で確認が取れている情報となります。制度変更や書類の書式変更などで内容が変更になることもございますので、実際に申請する場合は必ず出入国在留管理庁や在外公館まで直接お問い合わせいただくようお願い致します。