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みなさん、こんにちは。SMILEVISAです!
特定技能外国人の数は増えてきていますが、「多国籍の特定技能外国人を受入れる際に、文化や宗教の違いに戸惑ってしまった」というケースも少なくありません。
同じアジアの国でも、日本とは全く異なる文化や価値観を持っていることもあります。
そこで今回は、フィリピンの特定技能外国人を受入れる際に知っておきたい文化や、注意点を解説していきます。
フィリピンはどんな国?
まず、フィリピンの基本的な情報や主要産業を見ていきましょう。
フィリピンの基本情報
フィリピンは東南アジアに位置しており、正式名称はフィリピン共和国です。
ルソン島やミンダナオ島をはじめとする7,641の島々から成り立っているため、地形は複雑な印象であるといえるでしょう。
面積 | 298,170平方キロメートル(日本の約8割) |
人口 | 1億903万5,343人(2020年フィリピン国勢調査) |
首都 | マニラ(首都圏人口約1,348万人)(2020年フィリピン国勢調査) |
民族 | マレー系が主体 ほかに中国系、スペイン系及び少数民族がいる |
言語 | 国語はフィリピノ語 公用語はフィリピノ語及び英語 180以上の言語がある |
宗教 | 国民の83%がカトリック、10%がその他のキリスト教 イスラム教は5%(ミンダナオではイスラム教徒が人口の2割以上) |
フィリピンの国土は日本の約8割ほどですが、180以上の言語があると言われています。しかし、公用語が英語とされているため、ほぼすべての人が英語でのコミュニケーションが可能です。
また、アジア唯一のキリスト教国で、カトリックとその他のキリスト教を合わせて、国民の約9割がキリスト教徒です。
フィリピンの主要産業
では、フィリピンの主要産業(2021年)を見ていきましょう。
・ビジネス、プロセス、アウトソーシング(BPO)産業を含むサービス業(GDPの約6割)
・鉱工業(GDPの約3割)
・農林水産業(GDPの約1割)
出典 フィリピン基礎データ|外務省 (mofa.go.jp)
フィリピンの主要産業は、ビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)産業を含むサービス業が約6割を占めています。
フィリピンの文化
続いて、フィリピンの人々の国民性や宗教など、文化について見ていきましょう。
多様な文化が入り混じっている
約400年スペインの支配下にあったフィリピンは、その後にアメリカの植民地となり、最後に日本の支配下に置かれていました。様々な国の支配下にあったフィリピンは、多様な文化が混ざり合って文化が形成されています。
そのため、伝統文化は多様であり、その土地の民族や地域によって様々となっています。世界の中でも、特有の歴史とその歴史から生まれた混合文化を持つ、珍しい国であると言えるでしょう。
敬虔なクリスチャンが多く、ホスピタリティ精神に溢れる国民性
キリスト教には「汝の敵を愛せよ」という有名な言葉があり、自分の前に現れるあらゆる人を大切にしなさいという隣人愛を意味しており、キリスト教の大切な教えとなっています。そのため、全体の約9割がキリスト教徒であるフィリピンの人々は、親切でホスピタリティ精神溢れる国民性だと言われています。
また、キリスト教には、以下のような特徴があります。
- 日曜日に礼拝を行う
- 食事制限はほとんどないが、肉類やアルコール、カフェインを禁止する宗派もある
- イースターで断食する宗派もある
- 泥酔するほど、お酒を呑んではいけない
- 食前と食後に、神様へ感謝の気持ちを込めて祈る風習がある
フィリピンには敬虔なクリスチャンが多いため、キリスト教の教えを否定するようなことを言うのはトラブルの元になるので注意しましょう。
家族を大事にする
フィリピンの人々は、家族を非常に大事にする価値観を持っています。家族に何かあった時や家族の用事を理由に、遅刻や休暇を取ることも珍しくなく、文句を言うような人もいません。
そのため、フィリピンの人々は日本のような仕事優先ということはあり得ないと感じるでしょう。
家族に仕送りをしたりする人が多く、遠い親戚でも大切にしています。
また、年配者に敬意を払うことは絶対的なルールとして根付いているとも言われています。
ホスピタリティ精神があり、フレンドリーな国民性
フィリピン人は主要産業がサービス業ということもあり、非常にフレンドリーでおおらかな国民性が特徴です。笑顔で人と接する事や、相手に喜んでもらうことが好きな性格であるため、介護業界や宿泊業界などで特に好まれている傾向にあります。
英語でのコミュニケーションも取れるため、日本人にとっては親しみやすいともいえるでしょう。
フィリピンの特定技能外国人を受入れる場合の注意点
日本とフィリピンの間にある文化の違いなどから、フィリピンの特定技能外国人を受入れる場合は注意点があります。
人前で怒らない
フィリピンの人々は、人前で怒られることに慣れていないので注意が必要です。「人をほめて伸ばす」という文化を持つフィリピンでは、学校や家庭内でも教育の過程で怒ることは滅多にないからです。
そのため、日本の昔ながらの職場のように人前で怒鳴られたりすると、翌日に出社してこなかったり、逆恨みされてしまうというケースも少なくありません。
誰でも人前で怒られるのはいい気がしませんが、特にフィリピンの特定技能外国人を注意する時は、誰もいない部屋に呼んで、1対1で話すようにしましょう。
家族の事情で休むことを受入れる
家族を大切にするフィリピンの人々にとって、家族を優先できる職場環境であるかどうかは非常に重要な要素です。
家族の事情で遅刻や休暇が取れない場合、転職してしまうケースもあります。そのため、フィリピンの特定技能外国人を受入れる際は、休みやすい環境を整えておきましょう。
また、日本でも非常識であると思われますが、特にフィリピンの人々は家族の悪口を言うことをとにかく嫌っています。
日本人同士でも当たり前のことですが、本人の家族を悪く言ったり、からかうようなことは絶対に言ってはいけません。
時間を細かく気にしないことを理解する
「フィリピンタイム」という言葉があるほど、フィリピンの人々は時間にルーズな傾向があります。
一般的なフィリピンの職場では、始業時間に出社しているのは半分以下ということが当たり前で、細かく時間を気にしない文化を持っています。
フィリピンの公共交通機関に時刻表がないということも多いため、プライベートはもちろん、ビジネスシーンでも決められた時間に行動するという意識が薄いと言えるでしょう。そのため、仕事上の時間に対する日本での考え方を、しっかり説明して理解してもらう必要があります。
しかし、フレックス制度を取り入れている企業もあるように、フィリピンの特定技能外国人と対話して、柔軟に意見を取り入れることも必要かもしれませんね。また、仕事の進捗などもこまめに確認するなどの工夫があるといいでしょう。
POLO/POEA手続きなど、フィリピンに関する二カ国協定について
フィリピンから特定技能外国人を受け入れる場合、POEAへ事前登録をする必要があります。こちらについては下記の記事で解説しています。
【完全版】フィリピンから特定技能を受け入れる方必見!POLO/POEA手続きの流れをわかりやすく解説【2023年最新】
フィリピンの特定技能外国人を受入れる場合は、特に家族に関することに気を付けよう
今回は、フィリピンの特定技能外国人を受入れる際に知っておきたい文化や注意点について解説しました。
キリスト教国であるフィリピンは、ホスピタリティ精神に溢れて親切な人が多いですが、時間を細かく気にせずルーズ、人前で怒らないなどの文化があることを十分に理解する必要があります。
また、家族を非常に大事にしているため、家族の事情を理由に休めるような職場環境を整えておくようにしましょう。
英語が話せて、親切な国民性から、フィリピンの人々を雇用したいという企業も増えてきています。
お互い気持ちよく仕事ができるように、環境作りをしっかり行うことが大切です。
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※本記事は現時点(2023 年7月)で確認が取れている情報となります。制度変更や書類の書 式変更などで内容が変更になることもございますので、実際に申請する場合は必ず出入国 在留管理庁や在外公館まで直接お問い合わせいただくようお願い致します。