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みなさんこんにちは、SMILEVISAです!
特定技能外国人の雇用契約を変更した場合に、受入れ企業には変更した内容について届出を行う義務があります。
そこで今回は、特定技能外国人の雇用契約の変更に必要な届出である「第3-1-1号特定技能雇用契約の変更に係る届出書」の記入例をわかりやすく解説していきます。
どのようなケースでこの届出書が必要なのか、実際に届出を行う際に間違いがないように、正しい記入方法を確認しておきましょう。
第3-1-1号特定技能雇用契約の変更に係る届出書とは?
第3-1-1号特定技能雇用契約の変更に係る届出書とは、特定技能外国人と結んだ雇用契約に変更があった場合に提出が必要な書類のことです。
特定技能外国人を受け入れる過程では、受入れ企業の経営状況や外国人の都合など、さまざまな理由から雇用条件が変わってくることもあるかと思います。
受入れ企業が登録支援機関と委託契約を締結している場合でも、特定技能外国人の雇用契約変更の届出義務は受入れ企業にあります。
特定技能外国人と結んだ雇用契約内容を変更する場合は、第3-1-1号特定技能雇用契約の変更に係る届出書を記入し、忘れず出入国在留管理庁に提出しましょう。
第3-1-1号特定技能雇用契約の変更に係る届出書の記入例をわかりやすく解説
それでは、第3-1-1号特定技能雇用契約の変更に係る届出書の記入例を解説していきます。
①届出の対象者
はじめに、届出の対象となる雇用契約の内容を変更した特定技能外国人についての情報を記入します。
記入項目は下記のとおりです。
- 氏名(ローマ字で記入)
- 性別
- 生年月日
- 国籍・地域
- 住居地
- 在留カード番号
- 特定産業分野、業務区分
※特定産業分野と業務区分については、こちらの出入国在留管理庁HPの特定技能外国人受入れに関する運用要領(別紙4)で確認できます。
特定技能外国人が複数人いる場合は、上記の項目の欄に「別紙のとおり」と記入して「参考様式第3-1号(別紙)」を使用してください。
※「参考様式第3-1号(別紙)」の記入例については、別の記事で解説します。
➁特定技能雇用契約の変更内容
次に、特定技能雇用契約の具体的な変更点を記入します。
記入項目は下記のとおりです。
a.変更年月日 | 変更後の内容が実際に適用された日付を記入します。 例:「10月1日から賃金を〇〇円にする」という内容を9月1日に締結した場合、変更年月日は10月1日になります。 |
b.変更事項 | ①変更した内容にあてはまる箇所にチェックをします(複数選択可)。 ➁変更内容の確認のため、変更した契約内容の書かれた雇用条件書(参考様式第1-6号、別紙を含む。)を添付してください。※雇用条件書は変更部分だけを記入または、すでにある雇用条件書に朱書き修正して添付します。 |
③届出機関
最後に、届出を行う受入れ企業の情報を記入します。
記入項目は下記のとおりです。
法人番号(13桁) | 法人の場合は国税庁が指定した13桁の法人番号を記入します。法人でない場合は空欄とします。 |
機関の氏名又は名称 | 受入れ企業の名前を記入します。 |
機関の住所(本店又は主たる事務所) | 受入れ企業の住所を記入します。 |
担当者の氏名、電話番号 | 届出を担当した受入れ企業の役職員の氏名を記入します。 |
届出の作成者の氏名、作成した年月日 | 届出書を作成した、受入れ企業の役職員の署名が必要です(印字不可)。 |
以上で第3-1-1号特定技能雇用契約の変更に係る届出書の記入は完了です。
第3-1-1号特定技能雇用契約の変更に係る届出書に必要な添付書類は?
第3-1-1号特定技能雇用契約の変更に係る届出書には、併せて雇用条件書(参考様式第1-6号、別紙を含む。)の提出が必要です。
さらに、特定技能外国人の雇用条件によって、それぞれ必要な添付書類は異なります。
たとえば、特定技能外国人の働く分野ごとに受入れ企業の証明書が必要であったり、派遣の場合は派遣先の概要書などの書類が必要になったりします。
詳しい添付書類については、こちらの出入国在留管理庁HPの随時届出(雇用契約・受入れ困難)提出書類一覧表で確認できます。
受入れ企業の雇用状況に合わせて、必要な添付書類を準備しましょう。
第3-1-1号特定技能雇用契約の変更に係る届出書の提出期限は?
第3-1-1号特定技能雇用契約の変更に係る届出書は、変更日から14日以内に地方出入国在留管理局に提出しなければなりません。変更日とは、届出書の変更年月日に記入した日のことです。
提出期限に遅れないように、書類の記入や添付書類の準備は余裕をもって行いましょう。
第3-1-1号特定技能雇用契約の変更に係る届出が必要なケースは?
第3-1-1号特定技能雇用契約の変更に係る届出書は、変更内容が軽微な変更である場合、届出は必要ありません。軽微な変更とは、報酬または労働条件以外の変更であって、特定技能雇用契約に実質的な影響を与えない変更のことです。
それでは具体的に、第3-1-1号特定技能雇用契約の変更に係る届出の変更内容1〜9の項目について、どのような場合に変更の届出が必要なのか、届出不要なケースについても確認しておきましょう。
1.雇用契約期間
雇用契約期間を短くする場合に届出が必要です。
「契約の更新の有無」については「自動的に更新する」から「契約の更新はしない」または「更新する場合があり得る」に変更する場合に届出が必要です。
また「更新する場合があり得る」であって、更新の判断基準を変更する場合は届出が必要です。
2.就業の場所
就業場所を変更した場合に届出が必要です(連絡先のみの変更は届出不要です)。
そのほか届出が必要なケースには、転勤や雇用条件書に記入されていない事業所で掛け持ち勤務をすることになった、雇用形態を派遣雇用から直接雇用に変更した場合などがあります。
直接雇用から派遣雇用に変更する場合は、派遣開始の約2か月前にあらかじめ雇用契約を結び、届出が必要となります。
3.従事すべき業務の内容
同じ分野内で従事する業務区分を変更する場合は届出が必要です。
また、複数の分野で指定を受けている特定技能外国人で、分野の主従関係を変更する場合は届出が必要です。
例:主たる分野に外食業、従たる分野に飲食料品製造業として申請されている場合、実際の業務についてこの関係を逆転させる場合
4.労働時間等
労働時間については、下記のケースで届出が必要です。
- 変形労働時間制を採用または廃止した
- 所定労働時間数または所定労働日数を変更した
- 所定労働がフルタイム(週5日以上かつ年間217日以上かつ、週労働が30時間以上)でなくなった
始業時間や就業時間を変更しても、所定労働時間等に変更がなければ届出は不要です。
5.休日
年間合計休日日数を少なくする場合に届出が必要です。
6.休暇
休暇日数を減らす場合に届出が必要です(増やす場合は届出不要)。
7.賃金
賃金については、下記のケースで届出が必要です。
- 基本賃金の減額
- 支給方法の変更(月給制から日給制、時間給から月給制など)
- 「諸手当」に記載されている手当を廃止または減額する
- 割増賃金の減額
- 固定残業代制度の導入または廃止
- 賃金支払方法を口座振込から通貨払に変更
- 「労使協定に基づく賃金支払時の控除」について「無」や「有」の変更
- 昇給・賞与・退職金や休業手当、昇給を「有」から「無」に変更
基本賃金の増額など、特定技能外国人に利益となる内容に変更する場合は届出不要です。
8.退職に関する事項
いずれの場合も届出が必要です。
9.社会保険の加入状況・労働保険の適用状況・健康診断・帰国担保措置
保険の適用状況が変更となった場合に届出が必要です。
健康診断の定期実施期間については、1年を超える期間を指定した場合に届出が必要となります。
第3-1-1号特定技能雇用契約の変更に係る届出書の注意点
雇用契約の変更後の内容が適切であるか確認する
第3-1-1号特定技能雇用契約の変更に係る届出書は、変更後の内容が基準に適合していることを十分に確認しましょう。
変更後の内容について基準不適合が確認された場合は、地方出入国在留管理局の指導・助言に従って改善しなければなりません。
また、必要な届出を行わなかったり虚偽の届出をしたりした場合は、罰則の対象となりますので注意してください。
変更点は特定技能外国人が十分に理解していることを確認する
変更後の契約内容は、外国人本人が理解していなければ、のちにトラブルになる可能性があります。
変更内容を記載した雇用条件書は、特定技能外国人が十分に理解できる言語に翻訳して分かりやすく説明してください。
外国人本人が十分に理解したことを確認したうえで署名をしてもらいましょう。
在留資格認定証明書の交付を受けてから上陸許可までの間に労働条件が変わった場合は変更の届出は必要?
在留資格認定証明書の交付後、上陸許可までに特定技能雇用契約の内容に変更があった場合は、届出の対象にはなりません。この場合は雇用契約の変更に係る届出書は提出せずに、速やかに申請した出入国在留管理局に相談してください。
雇用開始が予定より遅くなった場合は特定技能雇用契約の変更に係る届出は必要?
特定技能外国人の雇用開始が予定より遅れた場合は、変更に係る届出の必要はありません。ただし、雇用契約期間自体が1日でも短くなった場合は届出が必要です。
第3-1-1号特定技能雇用契約の変更に係る届出書は期限内に提出しましょう
特定技能外国人の雇用契約は、さまざまな状況で変更する場合があります。
変更点については特定技能外国人に不利益がなければ届出が不要なケースもあります。まずは届出が必要な変更であるかどうかを確認し、必要であれば早めに届出書を準備しましょう。
また、変更内容によって届出書の記入箇所や添付書類は異なります。記入漏れや添付書類に不備がないかを確認し、期限内に忘れず手続きを済ませましょう。
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※本記事は現時点(2024年1月)で確認が取れている情報となります。制度変更や書類の書式変更などで内容が変更になることもございますので、実際に申請する場合は必ず出入国在留管理庁や在外公館まで直接お問い合わせいただくようお願い致します。