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みなさんこんにちは!特定技能の書類作成・人材管理システムを提供しているSMILEVISAです。
近年、特定技能外国人労働者の受け入れに関する企業の姿勢が大きく変化しています。以前は、特定技能の管理については外部の登録支援機関や組合、人材紹介会社に依存していた企業が一般的でしたが、現在では、特定技能を自社で管理・支援する企業が急増しています。
この動きは、日本の労働市場における課題、特定技能制度の特性、さらには企業が求める「自社での人材管理」の重要性などが複合的に影響しています。本記事では、なぜ企業が自社で特定技能の管理・支援を行うようになったのか、その背景と理由について解説していきます。
そもそも特定技能制度とは?

まず、特定技能制度について簡単に振り返っておきましょう。特定技能制度は、日本の労働力不足を補うために設立された制度で、特定の業種において外国人労働者を受け入れることを目的としています。この制度では、特定の業種で必要な技能を有する外国人が、日本で働くことを認めるものです。
特定技能は、次の2つのカテゴリーに分かれます。
- 特定技能1号:基準となる日本語能力と一定の技能を持つ外国人労働者が対象で、5年間の在留資格を得ることができます。1号では、転職や職場変更が制限されるため、一定の業務に従事することが求められます。
- 特定技能2号:特定の技能分野において、より高度な能力を有する外国人労働者に与えられる在留資格で、家族の帯同も認められることが特徴です。
この制度は、特に製造業、建設業、農業、宿泊業、介護などの業界で需要が高いとされています。特定技能外国人を採用することで、これらの業界における人手不足を補い、企業が生産性を向上させることができます。

特定技能外国人を登録支援機関なしで自社で管理(支援)できる?
特定技能外国人を登録支援機関なしで自社で管理・支援することは、原則として可能ですが、いくつかの条件や要件があります。以下でその詳細について解説します。また、なぜ受け入れ企業が外部に管理委託をしてきたのかの理由も解説します。
1. なぜ多くの企業が組合や登録支援機関に管理委託してきたのか?
特定技能外国人を受け入れる企業は、組合や登録支援機関に対して外国人労働者の支援を委託することが一般的でした。登録支援機関は、外国人労働者の生活支援や業務支援などを行い、企業と外国人労働者の橋渡しをする役割を担っています。
これまで、登録支援機関に管理委託をする企業が多かった理由として、「そもそも特定技能を自社で管理(支援)できることを知らなかった。」というものがあります。出入国在留管理庁では、特定技能を受け入れる際に条件さえ満たしていれば自社で管理・支援してもよいとしていますが、そのこと自体を知らずに慣例的に外部委託を続けている受け入れ企業が多いということになります。
2. 特定技能外国人を自社で管理・支援するための要件とは?
登録支援機関に依存せず、自社で特定技能外国人を管理・支援することは可能ですが、そのためにはいくつかの条件があります。この要件については、下記の記事で詳細に解説しています。

特定技能の支援を管理委託から自社管理(支援)へシフトした理由とは?

これまで、多くの企業が特定技能外国人労働者を受け入れる際、登録支援機関や組合、行政書士(申請書類の作成)などの外部の機関に頼ることが一般的でした。しかし、現在では、企業の中で自社で特定技能労働者を直接管理・支援する体制を整える企業が増加しています。その背景には、下記のような理由があげられます。
1.支援の外部委託による情報漏洩、法務リスクが発生する
外部の登録支援機関などの委託機関に特定技能の管理を委託した場合、様々なリスクが存在することがわかったことが大きな要因の一つと言えます。
出入国在留管理庁では、受け入れ企業側が責任をもって書類を作成する必要がある項目について明確に定めています。この業務を外部管理団体が行ってしまった場合、知らず知らずのうちにルールに反してしまい、特定技能の受け入れが難しくなってしまう法務リスクも存在します。
受け入れが作成するべき書類についての詳細についてはこちらで詳しく解説をしています。
さらに、受入れ企業にとって情報漏洩のリスクも発生します。管理団体に委託をすることにより自社の情報について開示を行い、共有する必要があるため、企業の情報が外部に漏洩する可能性があります。
こちらの事例に関しては、特定技能外国人を初めて受け入れる時点から自社で管理(支援)を行い、情報漏洩を防いでいるケースです。
2. 登録支援機関の担当者の経験・知識・対応不足により、受け入れに支障が出た
外部機関が特定技能に対する管理が不十分な場合、外国人労働者の勤務態度や福利厚生に問題が生じる可能性があります。また、外部機関が、特定技能の支援に十分なスキルや知識を持っていない場合、企業にとって大きな負担となり、受け入れの継続自体がが難しくなります。
実際にあったケースでは、受入れ企業が外部機関に特定技能の管理委託をしたものの、管理団体の経験や知識が浅く、自分たちで行った方がスムーズだった、重大な書類作成ミスが起き、特定技能の受け入れが継続できなかったなどのケースも少なくありません。
実際によく聞くケースとしては下記の通りです。
書類作成を外部の管理団体にお願いしていたが、社内規定の雇用条件の内容ではなく、どこかの会社の雇用条件のデータに書き換えがなされていた。指摘したものの修正できておらず、結局は、書類の修正や出入国在留管理庁への対応は自分たちで行った。
前もって外部の管理団体から指示のあった通りに書類を集めたが、管理団体から期限切れなので再度集めて欲しいと言われた。担当者が離職し、引き継ぎができておらず、出入国在留管理庁から受け入れ企業の方に直接連らが来て、書類の有効期限が切れていると指摘があった。
特定技能外国人の受け入れ人数が少ない時は問題なかったが、雇用する人数が多くなってくると書類作成が遅れがちになった。入社予定より遅れることが多くなり、自社で行った方が早いと感じた。
特に中小~大手企業を中心として、このような事態が重なり、対応するために特定技能外国人の管理を自社で行うケースが増加しています。外部の管理団体の対応に不安を覚え、自社で内製化を進めたケースはこちらの企業の事例が参考になります。

3.特定技能外国人の管理コストの削減
受け入れ企業が特定技能の自社管理(支援)を行いたいと考える大きな理由の一つが、外部機関に支払う手数料や管理費用です。これらは、受け入れ企業のコストとなるため、その分の経済的負担も大きくなります。
受け入れ企業としては、このようなコストを最小限に抑えるために、自社で特定技能の管理を行うほうが効率的であると判断するケースが増えてきました。
1~3名程度の特定技能外国人の雇用であれば管理委託していた方がよかったものの、10名などを超えてくると毎月の管理費は20万円程度に膨れ上がってしまうため、特定技能外国人の雇用を増やすタイミングで自社管理(支援)に切り替えるケースが増加しています。
特定技能外国人の雇用を増加させるにあたり、管理費のカットを実現したケースについてはこちらの事例が参考になります。
4. 社内教育や働きやすさの改善、人材定着率の向上を重視
特定技能外国人1号と2号に関しては、ほかの在留資格の外国人と比べ、転職が比較的容易となっています。そのため、せっかくコストと時間をかけ採用した特定技能外国人が入社後1年足らずで離職してしまう…というケースも珍しくはありません。
特定技能外国人の離職を防ぐため、受入れ企業は様々な工夫を行っています。しかしながら、特定技能外国人の管理を外部委託していた場合は、支援業務については外部の管理団体が行っているため実際に特定技能外国人とコミュニケーションをとる機会は減少します。その結果、いきなりやめてしまった、という残念な結果につながることが少なくありません。
自社で特定技能外国人を管理(支援)する企業は、こうした生活支援や日本語教育を直接提供することで、外国人労働者の定着率を高めることができます。外部委託に依存している場合、こうした細かい部分に対する支援が不足しがちであり、結果として外国人労働者の離職率が高くなる可能性があります。
企業が自社で支援を行うことで、社内での日本人と外国人同士のコミュニケーションが増加し、労働者の不安を軽減し、仕事に集中できる環境を提供できるため、企業にとっても大きなメリットとなります。
特定技能外国人の福利厚生や待遇、サポート体制の向上を目指して自社管理(支援)を実現したケースについてはこちらの企業が参考になります。
5. 自社で支援業務を行っているため委託管理する意味がない
受け入れ企業の中には、実際には自社で受け入れ業務(面談、相談苦情対応、寮の対応など)を行なっているにもかかわらず、支援費を管理委託会社に支払い続けているケースも珍しくありません。
実際にあったケースとして、特定技能外国人を受け入れている介護施設において、介護施設のスタッフが面談や相談苦情の対応、寮の手配などを自分で行っていました。特定技能は管理委託をしていたものの、管理団体の担当者は面談などにもほとんど来ず、形式的な支援のみを行っていたため、このような内容ならば管理委託費用がもったいないので自分たちで自社管理に切り替えようと決められることがありました。
このように、受入れ企業が特定技能外国人を自社で管理(支援)する際には様々な理由があります。これらの問題が特定技能外国人の受け入れが増加する際に顕在化し、自社で管理する方向にシフトする企業が増加しています。
特定技能外国人を自社管理(支援)する際、企業が行っている工夫とは?

特定技能外国人を自社で管理・支援することには、様々なメリットがありますが、同時に多くの課題も伴います。受け入れ企業が外国人労働者を自社で効果的に支援するためには、工夫や対策を講じることが重要です。
下記では、特定技能外国人を自社で管理・支援する際の企業の工夫について解説します。
1. 特定技能外国人の申請書類作成を効率化させる
特定技能外国人の在留資格申請については、多くの書類作業が発生し、これまで外部の管理団体に作成をしてもらっていた受入れ企業が特に課題に感じるポイントです。
多くの受け入れ企業では、自分たちだけで多数の特定技能外国人の書類を作成することは不可能だと感じており、その際に書類作成が自動でできるシステムの導入を検討しています。実際にシステムを導入し、担当者1~2名で100名を超える特定技能外国人の在留資格申請をこなしている受け入れ企業もあります。
SMILEVISAでは、必要な情報を入力するだけで自動で特定技能外国人の書類を作成できるクラウドサービスを提供しています。詳細はこちら。
2. 生活支援の充実を図る
外国人労働者が日本で生活するためには、職場での業務だけでなく、生活全般に対するサポートが欠かせません。自社で支援を行う企業は、外国人労働者が安心して暮らせるような支援体制を整えることが重要です。
しかしながら、これまで外部の管理団体に支援活動について丸投げしてしていた場合はノウハウなどがなく、支援をどのように進めるか分からないケースもあります。
その場合は、社内で担当者を決めて特定技能外国人のサポートを行う、社内で対応できないものについては外部に委託するなどの方法があります。たとえば多いものとして通訳翻訳の手配などがありますが、詳しくは下記の記事で解説しています。
このように、これから特定技能外国人の支援を自社で行うことに不安を抱える企業は少なくありません。SMILEVISAではそのようなお悩みに対してもご相談が可能です。

特定技能外国人の自社管理(支援)はこれからも増加見込み
特定技能外国人を自社で管理・支援する企業が増加している理由は、リスク管理やコスト削減、定着率の向上など、多岐にわたる要因が背景にあります。外部機関に依存することのリスクを減らし、企業独自の教育や支援体制を整えることが、労働者の満足度を高め、企業の競争力を向上させることに繋がります。
今後も特定技能制度の需要は増えると予想されており、企業が自社での管理体制を強化することは、今後ますます重要な課題となるでしょう。企業が外国人労働者を受け入れるためには、これらの課題に対して適切に対応し、彼らが長期的に働きやすい環境を提供することが、企業の成功に直結する必要不可欠な条件となることが予想されます。
自社支援を始める受け入れ企業向けのマニュアルについては下記より無料でダウンロードが可能です。

SMILEVISAではこれから特定技能を自社支援で受け入れていきたい、特定技能の管理費を大幅にコストカットしたい、書類の申請を効率化したい!とお考えの受入れ企業様向けの特定技能管理システムを提供しています。
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※本記事は現時点(2025年2月)で確認が取れている情報となります。制度変更や書類の書式変更などで内容が変更になることもございますので、実際に申請する場合は必ず出入国在留管理庁や在外公館まで直接お問い合わせいただくようお願い致します。