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みなさんこんにちは!SMILEVISAです。
特定技能外国人の数は、年々右肩上がりで増加しており、工業製品製造業分野も例外ではありません。近年、工業製品製造業界は、少子化による労働人口の減少や技術継承問題、工場自動化の遅れ等で人手不足の状態が続いています。
今回は、特定技能の工業製品製造分野について、受け入れるための要件や業務内容、そして試験(特定技能1号技能測定試験)について詳しく解説していきます。
※令和6年度から「素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業」は、「工業製品製造業分野」に名前が変わりました。
同時に対象分野や業務内容も追加となりました。追加された職種は以下の通りです。
- 鉄鋼業
- 金属製サッシ・ドア製造業
- プラスチック製品製造業
- 紙器・段ボール箱製造業
- コンクリート製品製造業
- 陶磁器製品製造業
- 繊維業
- 金属製品塗装業
- 印刷・同関連業
- RPF製造業
工業製品製造業分野(旧製造分野)で特定技能外国人が従事できる業務内容
工業製品製造業分野において、特定技能資格を利用して従事できる業務は以下の通りです。
機械金属加工 | 指導者の指示を理解し、又は、自らの判断により、素形材製品や産業機械等の製造工程の作業に従事。 |
電気電子機器組立て | 指導者の指示を理解し、又は、自らの判断により、電気電子機器等の製造工程、組立工程の作業に従事。 |
金属表面処理 | 指導者の指示を理解し、又は、自らの判断により、表面処理等の作業に従事。 |
紙器・段ボール箱製造 | 指導者の指示を理解し、又は、自らの判断により、紙器・段ボール箱の製造工程の作業に従事。 |
コンクリート製品製造 | 指導者の指示を理解し、又は、自らの判断により、コンクリート製品の製造工程の作業に従事。 |
RPF製造 | 指導者の指示を理解し、又は、自らの判断により、破砕・成形等の作業に従事。 |
陶磁器製品製造 | 指導者の指示を理解し、又は、自らの判断により、陶磁器製品の製造工程の作業に従事。 |
印刷・製本 | 指導者の指示を理解し、又は、自らの判断により、オフセット印刷、グラビア印刷、製本の製造工程の作業に従事。 |
紡織製品製造 | 指導者の指示を理解し、又は、自らの判断により、紡織製品の製造工程の作業に従事。 |
縫製 | 指導者の指示を理解し、又は、自らの判断により、縫製工程の作業に従事。 |
加えて上記の業務の関連業務であれば付随的に従事することが可能になります。関連業務は以下の通りです。
- 原材料・部品の調達・搬送作業
- 各職種の前後工程作業
- クレーン・フォークリフト等運転作業
- 清掃・保守管理作業
注意点としては、特定技能外国人の労働時間をすべて関連業務として行うことは認められません。
業務が特定技能資格の分野に該当するか否か不明な場合は、経済産業省の特定技能外国人材制度(素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業分野)に関するお問い合わせ先に問い合わせて確認することが可能です。
参考:出入国在留管理庁|特定技能運用要領「工業製品製造業分野」
工業製品製造業分野で特定技能を受け入れる企業が満たすべき要件
工業製品製造分野の特定技能外国人を雇用される事業者は、以下の条件を満たす必要があります。
※職種によっては追加要件や加入すべき組合等がありますので注意しましょう。
①経済産業省が組織する製造業特定技能外国人材受入れ協議会に入会し、必要な協力を行うこと
工業製品製造分野特定技能外国人の協議会加入は、在留申請を行う前に入会する必要があります。
入会方法
- 特定技能外国人材制度のポータルサイトに進みましょう。
- 必要な箇所を入力し、申込みに進んでください。(提出が必要な書類がありますので、ダウンロードをし記入をしましょう。)
- 入会手続きから登録まで約2ヶ月かかります。
詳しい詳細や入会申請は、特定技能外国人材制度のポータルサイトから進めます。SMILEVISAでは協議会の受け入れについて、下記の記事で分かりやすく解説しています。
②特定技能外国人に、必要に応じて訓練又は研修を受けさせること
受入れ企業は、特定技能外国人に必ず業務訓練や研修をしっかり受けさせることが必要になります。訓練や研修無しに業務に従事させることは、違反となります。
③派遣による雇用形態ではないこと
工業製品製造業分野の特定技能では、派遣による労働は対象外です。
特定技能外国人を派遣、又は、派遣された者を受け入れた場合、在留諸申請において不正に許可を受けさせる目的での虚偽文書に該当するため、以後5年間は、特定技能外国人の受入れはできないこととなりますので、注意しましょう。
次に、職種別に新たに設定された追加要件について説明します。
【追加要件】
印刷・同関連業の追加要件 | 印刷・製本、同関連業で業務に従事する際、 ・全日本印刷工業組合連合会、 ・全国グラビア協同組合連合会、 ・全日本製本工業組合連合会 いずれかに所属していることを条件とします。 |
こん包業の追加要件 | 日本梱包工業組合連合会に所属していることを条件とします。 |
繊維工業(紡織製品製造区分及び縫製区分)の追加要件 | ・国際的な人権基準に適合し事業を行っていること ・勤怠管理を電子化していること ・パートナーシップ構築宣言の実施 ・特定技能外国人の給与を月給制とする |
印刷・同関連業とこん包業は、指定された組合連合会へ加入することが新たな要件です。
繊維工業(紡織製品製造区分及び縫製区分)は、その他の職種より賃金の未払いに関する違反が多い現状です。ですので、経済産業省は、違反をなくし正当な取引を行わせるため、繊維業においては追加要件を設定しています。
繊維工業(紡織製品製造区分及び縫製区分)の追加要件について下記、詳しく説明します。
国際的な人権基準に適合し事業を行っていること
労働における基本的原則及び権利に関する国際労働機関宣言に掲げられた基本的権利に関する原則
主な原則は、
- 自由及び団体交渉権の効果的な承認
- 強制労働の禁止
- 児童労働の撤廃
- 雇用及び職業における差別の排除
- 安全で健康的な労働環境
勤怠管理を電子化していること
職場の勤怠管理のIT化を進めることで、適切な労務管理が可能となり、労務管理業務の効率化
や生産性向上等が期待されます。
パートナーシップ構築宣言の実施
「パートナーシップ構築宣言」とは、事業者が、取引先との共存共栄を目指し、「代表権のある者の名前」で宣言し、ポータルサイトで公表するものです。
詳細は、パートナーシップ構築宣言のHPで確認することができます。
※現在、2024年8月25日時点で繊維工業は1,029社(全体の約1.9%)(産業界全体では、53,076社)が宣言しています。
特定技能外国人の給与を月給制とする
外国人労働者が、生活の安定を確保し、業務に集中できるようにするため、安定的かつ確実に給与が支給される「月給制」を要件としています。
詳細は、経済産業省「繊維業の上乗せ4要件について」を確認しましょう。
工業製品製造業分野で外国人が特定技能として働くための要件
外国人が特定技能資格を利用して工業製品製造業分野で働くためには必要な要件があります。主に、特定技能の在留資格を得るためには下記の2つのパターンがあります。
パターン①製造分野特定技能1号評価試験に合格+日本語能力試験に合格
まず一つ目のパターンが、特定技能のと日本語能力試験を受験し、合格するルートです。
「製造分野特定技能1号評価試験」とは、経済産業省が主催する試験です。この試験に合格することで、工業製品製造業分野で働くための技能要件を満たすことができます。
さらに、一定レベルの日本語能力の証明が必要です。日本語能力の証明は、「国際交流基⾦⽇本語基礎テスト」のA2以上の判定結果又は「⽇本語能⼒試験(N4以上)」の合格証明書が必要です。
パターン②技能実習2号を良好に修了する
もう一つのパターンが、技能実習2号を修了する方法です。該当種職は以下の通りです(一部)
工業製品製造業分野に該当する種職は種類が豊富です。その他の種職については労働厚生省の「技能実習制度移行対象職種・作業一覧」から確認することができます。
引用:厚生労働省「技能実習計画審査基準・技能実習実施計画書モデル例・技能実習評価試験試験基準」
これらの技能実習は、工業製品製造業分野との関連性が有り、業務に必要となる知識又は経験を有するものと評価され、試験が免除されます。
参考:出入国在留管理庁「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領-素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業分野の基準について-」
特定技能試験・工業製品製造業分野における試験内容
工業製品製造業分野の特定技能1号試験は、学科試験と実技試験の2種類があります。試験方法はCBT(コンピュータ・ベースド・テスティング)です。
【全体の概要】
科目試験 | 学科試験と実技試験 |
試験時間 | 80分(学科と実技を合わせて) |
言語 | 日本語 |
実施方法 | CBT方式 |
【学科試験の詳細】
問題数 | 30問程度 |
試験時間 | 80分(学科と実技合わせて) |
言語 | 日本語 |
実施方法 | CBT方式 |
合格基準 | 100点中65点 |
【実技試験の詳細】
問題数 | 10問程度 |
試験時間 | 80分(学科と実技合わせて) |
言語 | 日本語 |
実施方法 | CBT方式 |
合格基準 | 100点中60点 |
具体的な試験対策については、にサンプル問題が特定技能外国人材制度のポータルサイトにて公開されています。
追加業種の試験について
2024年10月現時点では、追加業種についての特定技能1号試験は実施されていません。実施の開始時期については、早くても2025年の2月ごろに特定技能外国人材制度のポータルサイトにて発表される予定です。発表され次第、メルマガにてお伝えさせていただきます。
工業製品製造業分野の特定技能1号を採用する方法
工場製品製造分野の特定技能の採用方法については3つあります。
- 技能実習生から特定技能へ移行する方法
- 国内にすでに在留している留学生などを雇用し、特定技能へ移行させる方法
- 海外在住の外国人を特定技能外国人として採用する方法
また、外国人雇用採用サービスンターにおいても工業製品製造業分野の特定技能1号を受け入れたい企業に対して支援を行っています。
SMILEVISAでも工業製品製造業分野の特定技能1号のご紹介を行っています。お気軽にお問い合わせください。
工業製品製造業分野の特定技能・よくある質問と回答
質問①「技能実習 2 号を良好に修了した」と書かれていますが、どのような要件を満たせばいいのでしょうか。
【回答】
以下の 2 つの要件を満たす必要があります。
- 技能実習期間が 2 年 10 か月以上修了してる
- 技能検定 3 級若しくは相当する技能実習評価試験の実技試験への合格
あるいは、評価調書に基づき、技能実習 2 号を良好に修了したと認められることが必要です。
質問②職場が人手不足です。特定技能外国人を関連会社への異動は可能ですか。
【回答】
異動先の事業者や関連会社が特定技能外国人と雇用契約を結んでいるか確認しましょう。直接契約を結んでいない場合、特定技能外国人を異動させることはできません。
特定技能の自社支援、書類作成の効率化を始めませんか?
以上、工業製品製造業分野での特定技能外国人を受け入れる方法について解説しました。特定技能を受け入れるための手続きは煩雑で、大きな手間がかかってしまいます。
SMILEVISAではこれから特定技能を自社支援で受け入れていきたい、特定技能の管理費を大幅にコストカットしたい、書類の申請を効率化したい!とお考えの受入れ企業様向けの特定技能管理システムを提供しています。
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※本記事は現時点(2024年10月)で確認が取れている情報となります。制度変更や書類の書式変更などで内容が変更になることもございますので、実際に申請する場合は必ず出入国在留管理庁や在外公館まで直接お問い合わせいただくようお願い致します。