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みなさんこんにちは、SMILEVISAです!
今回の記事では、特定技能外国人の申請時に必要な「第1-6号 雇用条件書(別紙「賃金の支払」を含む。) 」に関して、どのようなケースで記入が必要なのか、具体的な記入方法、注意点などわかりやすく解説しています。
また、第1-6号 雇用条件書(別紙「賃金の支払」を含む。) の提出時に必要な「第1-5号 雇用契約書」の記入例も併せて解説します。
第1-6号 雇用条件書(別紙「賃金の支払」を含む。) とは?どんなときに記入が必要?
まず初めにですが、第1-6号 雇用条件書(別紙「賃金の支払」を含む。) は、出入国在留管理庁のこちらのページよりダウンロードが可能です。
雇用条件書には10か国語に翻訳した参考様式がありますので、特定技能外国人が十分に理解できる言語の書類を用意してください。
雇用条件書とは、受入れ企業の労働条件が、出入国在留管理庁より定められた特定技能の雇用条件に適合しているかどうかを確認するための書類です。新たに特定技能外国人を雇用する際や、雇用契約を変更した際に提出が必要となります。
雇用条件書には以下の項目について、受け入れ企業の条件を記載します。
- 雇用契約期間
- 就業の場所
- 従事すべき業務の内容
- 労働時間
- 休日
- 休暇
- 賃金
- 退職に関する事項
- 保険の適用状況
- 特定技能外国人の健康診断
上記の項目の中で賃金に関しては、さらに雇用条件書の別紙「賃金の支払」に詳しく記載します。
特定技能外国人を雇用するうえで気を付けることは、外国人であることを理由に報酬や福利厚生その他の待遇について差別的な扱いをしないということです。
特定技能外国人の雇用内容が基準を満たしているかどうか、また特定技能外国人に雇用条件を理解してもらうために、雇用条件書は重要な書類です。
雇用条件書を提出する際は、併せて「第1-5号 特定技能雇用契約書」も提出しましょう。
雇用条件書と併せて提出する「第1-5号 特定技能雇用契約書」とは?
特定技能雇用契約書とは、受入れ企業と特定技能外国人が雇用関係を結ぶ際に、雇用条件書と併せて提出が必要となる書類です。雇用条件書の内容をもとに、特定技能外国人が雇用内容を理解し納得したうえで契約するということが重要となります。
雇用条件書と雇用契約書の内容は、特定技能外国人が業務を開始する時点をもって効力が生じるものとします。
また、雇用条件書と雇用契約書は2部ずつ作成し、受入れ企業と特定技能外国人がそれぞれ保管しておきましょう。
それでは、雇用条件書と雇用契約書の具体的な記載方法を順に解説していきます。
第1-6号 雇用条件書(別紙「賃金の支払」を含む。) の記載例・記載方法
それでは雇用条件書の記載方法を見ていきましょう。最初に下記の項目を記入します。
- 作成した年月日
- 特定技能外国人の氏名
- 受入れ企業名・所在地・電話番号・代表者の役職と氏名
出入国在留管理庁「在留資格「特定技能」に関する参考様式(新様式)」記載例より引用
特定技能外国人の氏名と受入れ企業の記載内容については、併せて提出する雇用契約書の内容と合っていることを確認しましょう。
続いて、Ⅰ~Ⅸの項目を順に記入していきます。
Ⅰ.雇用契約期間
1.雇用契約期間 | 特定技能外国人との雇用契約期間と入国予定日を記載します。すでに特定技能外国人が入国している場合は、入国予定日の記載は不要です。 |
2.契約の更新の有無 | 契約を自動的に更新するのか契約更新はしないのか、該当箇所にチェックをしてください。「更新する場合があり得る」とした場合は、更新の判断基準として当てはまるものを選択肢から選んでチェックを入れましょう。 |
Ⅱ.就業の場所
直接雇用と派遣雇用のどちらかを選んでチェックします(派遣雇用は農業分野と漁業分野のみ可能です)。
受入れ先の事業所名・所在地・連絡先を記載します。就業先が複数の場合は主な就業先を明記したうえで、すべての就業場所を記載してください。
Ⅲ.従事すべき業務の内容
1.分野 | 特定技能外国人が働くことができる12の産業分野から選んで記載してください。 |
2.業務区分 | 12の分野の中から、さらに具体的な業務区分を記載します(例:農業分野の耕種農業区分など)。 |
※各分野の業務区分については、出入国在留管理庁HPの特定技能外国人受入れに関する運用要領の別冊の分野別一覧から確認できます。
Ⅳ.労働時間等
1.始業・就業の時刻等 | 始業時間と終業時間、1日の労働時間を記載します。交代制の場合は勤務時間の組み合わせをすべて記載しましょう。変形労働時間制の場合はどのくらいの単位で労働時間が変形するのか記載します。 ※1年単位の場合は、特定技能外国人が理解できる言語を併記した年間カレンダーの写し及び、労働基準監督署へ届け出た変形労働制に関する協定書の写しを添付してください。 |
2.休憩時間 | 1日の休憩時間を記載します。 |
3.所定労働時間数 | 週・月・年単位での労働時間をそれぞれ記載します。特定技能外国人の所定労働時間は、日本人労働者の所定労働時間と同等であることが求められます。 |
4.所定労働日数 | 週・月・年単位での労働日数をそれぞれ記載します。特定技能外国人はフルタイムでの雇用が求められ、原則として労働日数は週5日以上かつ年間217日以上でなければなりません。 |
5.所定時間外の労働の有無 | 時間外労働の有無を選んでチェックを入れます。 |
Ⅴ.休日
1.定例日 | 毎週決められた休みの曜日を記載します。また、夏季休暇・年末年始の休日日数と年間合計の休日日数も記載します。 |
2.非定例日 | 決められていない休みが週・月あたりで何日あるか記載します。 |
Ⅵ.休暇
1.年次有給休暇 | 6か月以上継続で勤務した場合に貰える有給日数を記載します。また、継続勤務が6か月未満の有給休暇の有無をチェックし「有」の場合は何カ月で何日の有給があるのか記載します。 |
2.その他の休暇 | 決められた年次有給休暇以外の有給または無給の休暇があれば内容を記載します。 |
3.一時帰国休暇 | 特定技能外国人が一時帰国を希望した場合、有給又は無給休暇を取得させることが決められています。 一時帰国以外にも、家族が短期滞在で来日したなどの際に有給休暇が取得できるように配慮してください。特定技能外国人が休暇を取得したことで、業務上の不利益な扱いがないように注意しましょう。 |
Ⅶ.賃金
1.基本賃金 | 固定の残業代がある場合は、固定残業代を除いた月給または日給・時間給を記載します。特定技能外国人の報酬の額は、同等の業務に従事する日本人労働者の報酬の額と同等以上であることに注意しましょう。賞与や諸手当も同じように、外国人という理由で不当に低くなってはいけません。 |
2.諸手当 | 時間外労働の割増賃金を除いた手当について記載します。詳細は別紙「賃金の支払」に記載しましょう。 |
3.所定時間外、休日又は深夜労働に対して支払われる割増賃金率 | 時間外労働の割増賃金率は何%であるか記載します。決められた時間以外の残業に関しては、割増賃金が追加で支払われることを特定技能外国人に説明しましょう。 |
4.賃金締切日 | 毎月の賃金締切日を記載します。 |
5.賃金支払日 | 毎月の賃金支払日を記載します。 |
6.賃金支払方法 | 口座振り込みか硬貨払(現金での支払い)のどちらかにチェックをします。 |
7.労使協定に基づく賃金支払時の控除 | 社会保険料や雇用保険料などが賃金の支払時に控除されるかどうかの有無を選んでチェックをします。詳しくは別紙「賃金の支払」に記載しましょう。 |
8.昇給 | 有無を選んでチェックをし、有の場合は時期や金額を記載してください。 |
9.賞与 | |
10.退職金 | |
11.休業手当 | 休業手当が賃金の何%支給されるのか記載します。 |
Ⅷ.退職に関する事項
1.自己都合退職の手続 | 何日前までに退職の手続きをしなければならないのか、日数を記載してください。 |
2.解雇の事由及び手続き | 解雇はやむを得ない事情がある場合に、30日前に予告又は30日分以上の平均賃金を支払うことを特定技能外国人に説明しましょう。※解雇の理由が特定技能外国人に責任のある事情の場合は、平均賃金を支払わずに即日解雇も考えられます。 |
Ⅸ.その他
1.社会保険の加入状況・労働保険の適用状況 | 厚生年金や健康保険などの該当する保険を選んでチェックをしてください。 |
2.雇入れ時の健康診断 | 特定技能外国人を雇用する際の健康診断の日を記載します。 |
3.初回の定期健康診断 | 定期健康診断の初回日と、初回終了後にどのくらいの頻度で健康診断が実施されるのか記載します。 |
4.本契約終了後に乙が帰国するに当たり、乙が帰国旅費を負担することができないときは、甲が当該旅費を負担するとともに、帰国が円滑になされるよう必要な措置を講じることとする。 | 特定技能外国人が雇用契約を修了して帰国する際に、帰国の費用が負担できない場合は受入れ企業が負担し必要なサポートをする旨を説明しましょう。 |
これで、雇用条件書の記入は終了です。
それでは次に、雇用条件書の別紙「賃金の支払」の記載方法を解説していきます。
第1-6号 雇用条件書の別紙「賃金の支払」の記載例・記載方法
雇用条件書の別紙「賃金の支払」に関してですが、こちらは雇用条件書にもある「Ⅶ.賃金」の項目をさらに詳しく記載するもので、以下の1~5の項目があります。
- 基本賃金
- 諸手当の額及び計算方法
- 1か月当たりの支払概算額
- 賃金支払時に控除する項目
- 手取り支給額
上記の項目の順に記載例を見ていきましょう。
出入国在留管理庁「在留資格「特定技能」に関する参考様式(新様式)」記載例より引用
1.基本賃金 | 月給または日給、時間給を記載します。月給・日給の場合は1時間当たりの金額、日給・時間給の場合は1か月当たりの金額を記載します。基本賃金は最低賃金を下回っていないか確認しましょう。 |
2.諸手当の額及び計算方法(時間外労働の割増賃金は除く) | どのような手当がいくら支給されるのか詳しく記載します。また、どのような条件を満たすと支給されるのか、計算方法も記載します。 |
3.1カ月当たりの支払い概算額(1+2) | 1と2で記入した基本賃金と手当を合わせた金額を記載します。 |
4.賃金支払時に控除する項目 | 1か月当たりの支払概算額から、どのような項目でどのくらいの額が控除されるのか記載します。 (a)税金は主に所得税+更新や変更の場合は住民税も追加 (b)社会保険については、健康保険+厚生年金を記入 |
5.手取り支給額(3-4) | 3で記入した1か月当たりの支払概算額から、4の控除額を引いた金額を記載します。ここで記載する手取り支給額は欠勤などがなく、時間外労働の割増賃金を除いた金額となります。 |
以上で雇用条件書の別紙「賃金の支払」の記入は終了です。
最後に、雇用条件書と併せて提出が必要な「特定技能雇用契約書」の記載方法を確認しておきましょう。
第1-6号 雇用条件書(別紙「賃金の支払」を含む。) の注意点
雇用条件書に記載したとおりに雇用が開始できなかった場合はどうすればいい?
さまざまな事情によって予定よりも雇用開始が遅れてしまったり、受入れ企業で働く部署が変更されたりするケースが考えられます。
雇用条件書の予定よりも雇用開始が遅れた場合、変更の届出は必要ありません。ただし、遅れたのではなく記載した雇用契約期間が1日でも短くなる場合は新たに変更の届出を記載しなければなりません。
また、就業場所に関して雇用条件書で記載した部署に変更があった場合は、同じ受入れ企業であっても変更の届出が必要です。
雇用条件書は記入ミスがないかの確認に加えて、内容に変更がないかの確認も行っていきましょう。
保険の適用や健康診断は適切に実施する
雇用条件書のその他の項目にある保険の適用や健康診断の実施に関する事項は、特定技能外国人を受入れるにあたって必ず必要なものです。
雇用時の健康診断や雇用期間中の定期健康診断を適切に実施することは労働安全衛生法で定められています。
また、保険の適用や納付を適切に行っていない場合、受入れ企業は特定技能外国人を5年間受入れできないといった欠格事由に該当するので不備がないように注意しましょう。
内容が複雑な部分は特定技能外国人に理解できているか確認しましょう
雇用条件書や雇用契約書は母国語に翻訳した様式がありますが、言葉が理解できていても内容の分かりにくい部分があります。
受入れ企業が説明していたとしてもよく理解できていなかったというケースも考えられるため「これはどういうことなのか?」ということを特定技能外国人がどれだけ理解しているか確認しておきましょう。
あとでトラブルにならないためにも、特定技能外国人が十分に理解したうえでの署名が必要です。とくに賃金支払時の控除される項目や有給休暇に関する事項は丁寧に説明しましょう。
よくあるケースとして、提示された給与額と手取りの額があまりに違うので不満が出る、といったこともよくあります。手取り額がいくらなのか、なぜ税金を支払う必要があるのか、などお金の面に関してはよく説明しておく必要があるでしょう。
第1-5号 特定技能雇用契約書の記載例・記載方法
特定技能雇用契約書は雇用条件書と比べると記載する箇所が少ないですが、契約に関する重要な書類です。特定技能外国人が理解できるように母国語に翻訳した書類を使用し、受入れ企業の記載欄も特定技能外国人の母国語で記載しましょう。
今回は、ベトナム語の翻訳様式を参考に解説します。
まずは、受入れ企業名と特定技能外国人の名前を記載します。
出入国在留管理庁「在留資格「特定技能」に関する参考様式(新様式)」より引用
翻訳された様式は、上に日本語で書かれた欄があり、下の部分に母国語の欄があります。それぞれの欄には同じ内容を日本語と母国語で記載します。
記載内容は雇用条件書と照らし合わせながら、間違いがないように確認しましょう。
最後に、下記の内容を記載する部分があります。
- 雇用契約を締結した年月日
- 受入れ企業の機関名
- 代表者の役職・氏名・捺印
- 特定技能外国人の署名
特定技能外国人の署名はアルファベット(パスポートと同じ表記)ではっきりと記載してもらいましょう。
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※本記事は現時点(2023年9月)で確認が取れている情報となります。制度変更や書類の書式変更などで内容が変更になることもございますので、実際に申請する場合は必ず出入国在留管理庁や在外公館まで直接お問い合わせいただくようお願い致します。